臨床婦人科産科45巻12号

1991年12月発行

特集 エコー　診療マニュアル

産科

28．胎盤血管腫

著者： 高柳真¹ 前川正彦¹ 西田荘哉¹ 林子耕¹ 鎌田正晴²

所属機関： ¹香川県立津田病院産婦人科 ²徳島大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲：P.1421 - P.1423

文献概要

　胎盤絨毛血管腫は絨毛膜の絨毛血管から発生する良性non-trophoblastic tumorである。発生頻度は詳細に胎盤を調べると約1％（Fox）から0.14％^2））ぐらいと考えられるが，鶏卵大以上の血管腫は極めてまれである。
　一方，その臨床的意義に関しては，大部分は無症状であるが，大きさや臍帯付着部との位置関係によっては，早産，羊水過多，胎児仮死，胎児水腫，胎児死亡，貧血，血小板減少症，などを合併する事が知られている。