icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻2号

1991年02月発行

今月の臨床 Preterm PROM—34週までの問題点

前期破水の成因

1.内的要因

著者: 寺尾俊彦1 金山尚裕1

所属機関: 1浜松医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.136 - P.137

文献概要

 PROMの本態は卵膜の脆弱化である。卵膜の抗張力を担っているのはコラーゲンであるので,PROMの成因としてcollagenolytic proteinaseが考えられる。表1にcollagenolytic proteinasesとその基質特異性を示した。
 我々はPROMの卵膜でType Ⅲ collagenが著明に減少していることを報告した1)。したがって卵膜コラーゲン分解酵素として顆粒球エラスターゼとトリプシンが考えられる。顆粒球は腟頸管に存在するので,そこから放出されるエラスターゼはPROMの外的要因として注目されている。一方,胎便中に多量のトリプシンが含まれていることが知られている。胎便が羊水中に排泄されると羊水中にトリプシンが存在することになる。すなわち羊水も状況によっては卵膜の攻撃因子となりうる。同時に羊水中には種々のプロテアーゼインヒビターが存在し,トリプシン等のプロテアーゼアタックを制御している。以下に内的要因としてのトリプシンおよびそのインヒビターとPROM発症との関連について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら