文献詳細
文献概要
今月の臨床 Preterm PROM—34週までの問題点 前期破水の成因
2.外的要因
著者: 千村哲朗1
所属機関: 1山形大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.138 - P.139
文献購入ページに移動 preterm PROMの発生に関与する因子は,卵膜が解剖学的に正常な発育構造にあるか,または異常な構造下にあるのかによって最初の問題点を考慮する必要がある。
妊卵の着床時にすでに出現する羊膜腔は,妊娠経過とともに卵膜形成により羊水内の胎児発育と羊水内圧に対し保護膜としての機能を果している。妊娠末期の卵膜は,内層羊膜(0.05mm)と絨毛膜(0.16〜0.12mm)を有し,この間に存在する結合組織(基底膜とcollagenに富む結合組織)で構成されている。卵膜の形態と抗張力を維持する結合組織は,妊娠末期分娩時の子宮内圧の上昇(56〜68mmHg)で破水を起こす。したがって,卵膜の発育障害による卵膜の抗張力の低下の状態では,子宮内圧の上昇により容易に破水を起こす結果となる。卵膜の結合組織の構造的異常をもたらす内・外的因子の役割が,これら問題の焦点となってくる。
妊卵の着床時にすでに出現する羊膜腔は,妊娠経過とともに卵膜形成により羊水内の胎児発育と羊水内圧に対し保護膜としての機能を果している。妊娠末期の卵膜は,内層羊膜(0.05mm)と絨毛膜(0.16〜0.12mm)を有し,この間に存在する結合組織(基底膜とcollagenに富む結合組織)で構成されている。卵膜の形態と抗張力を維持する結合組織は,妊娠末期分娩時の子宮内圧の上昇(56〜68mmHg)で破水を起こす。したがって,卵膜の発育障害による卵膜の抗張力の低下の状態では,子宮内圧の上昇により容易に破水を起こす結果となる。卵膜の結合組織の構造的異常をもたらす内・外的因子の役割が,これら問題の焦点となってくる。
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