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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻2号

1991年02月発行

今月の臨床 Preterm PROM—34週までの問題点

PROMの予防

18.PROMの予防は可能か

著者: 宇津正二1

所属機関: 1聖隷浜松病院産婦人科

ページ範囲:P.184 - P.186

文献概要

 preterm PROMの発生機序やその要因については,まだ未解決の部分も残されているが,臨床的には,腟炎や頸管炎から上行性に波及した細菌性の絨毛羊膜炎(CAM)に,子宮収縮や,または多胎や羊水過多症などのように子宮内圧が過度に上昇するような機転が加わることによって発症する例が大部分である。つまり,化学的には脆弱化が,物理的には張力が,卵膜に対して相乗的に作用するため破綻を来すと考えられる。一旦,CAMが発症すると,抗生物質や消炎剤,子宮収縮抑制剤などによる治療にも抵抗し,早晩破水して,流産や早産,胎児仮死を伴った未熟児出生などに至る例が多くなる。このようなpreterm PROMの例に対する周産期管理やその治療については,各施設で種々の対策が講じられ,妊娠期間の延長や胎児仮死,胎内感染の防止など,ある程度の治療効果は得られるようになってきた。しかし実際には,未熟児管理の上で重要な問題を含む妊娠30週未満の早産率や1,500g未満の極小未熟児や超未熟児の出生率はそれほど劇的には減っていないのが現状である。年間約1,500件の分娩を扱う当科でも,過去5年間では毎年30例前後(2%〜2.5%)の極小未熟児や超未熟児が出生しており,減少傾向は見られていない。殆どの例がCAM,およびCAMからPROMを発症したことが原因であった(70%〜90%)。このような早産や未熟児出生を減少させるためには,CAMやPROM症例に対する周産期管理や治療も重要であるが,それ以前にCAMやPROMを起こさないような予防体制の確立が重要になってきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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