文献詳細
今月の臨床 子宮体癌—理解のためのQ&A 33
いわゆる前癌病変
文献概要
前癌病変とは,厳密な意味では,癌に先行して必ず経過する病変で,それ自体は悪性でない状態を指すべきである。しかし,このような意味での前癌病変を実際に把握し提示することは不可能といってよい。したがって,一般には正常組織や他の病変に比べて,はるかに高率に癌が発生する状態を前癌病変として扱っている。子宮頸部において,異形成dysplasiaをいわゆる前癌病変とみなすなどはその好例である。
次に,どの時相から癌とみなすかによって前癌病変の認識は異ってくる。子宮体癌の国際臨床進行期分類では,0期を「異型内膜増殖症(上皮内癌)。組織所見が悪性を疑わせるが決定的でないもの」と定義している。すなわち,異型増殖症と上皮内癌を同義的に扱っており,これらは前癌病変なのか,すでに癌であるのか,きわめてあいまいである。いいかえると,子宮内膜では,どのような組織像から癌といえるのかを決定するのが困難であることを意味している。
次に,どの時相から癌とみなすかによって前癌病変の認識は異ってくる。子宮体癌の国際臨床進行期分類では,0期を「異型内膜増殖症(上皮内癌)。組織所見が悪性を疑わせるが決定的でないもの」と定義している。すなわち,異型増殖症と上皮内癌を同義的に扱っており,これらは前癌病変なのか,すでに癌であるのか,きわめてあいまいである。いいかえると,子宮内膜では,どのような組織像から癌といえるのかを決定するのが困難であることを意味している。
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