icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻3号

1991年03月発行

文献概要

今月の臨床 子宮体癌—理解のためのQ&A 33 早期診断

12.超音波診断の有用性

著者: 赤松信雄1

所属機関: 1岡山大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.286 - P.287

文献購入ページに移動
子宮体癌の主病巣像
 10年少し前,子宮体癌の超音波診断はまだ研究段階であり,当時の接触複合走査方式の経腹走査では,子宮内膜層に明かな異常所見を認めるものは66.1%,異常を疑わせる所見を有するものが11.9%であり,異常像はもちろん子宮内膜像も認めないものが22.0%もあった1)。しかもこれは臨床進行期Ⅰ期からⅣ期までの全ての子宮体癌例での結果である。その後,超音波診断装置の表示方式はリアルタイムに画像が観察できるテレビ方式となった。しかも超音波診断装置はX線CTやMRIと比べて比較的廉価であり,産婦人科において著しく普及した。
 さらに経腟走査用のプローブの開発と改良が進んだ。性器出血を主訴として来院した婦人や子宮癌検診を希望する婦人に対して無侵襲検査として経腟走査超音波断層法が応用できる。それによって子宮体内部の微細な構造が容易に観察できるようになってきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?