臨床婦人科産科45巻4号

1991年04月発行

今月の臨床 月経とその異常

月経とその発来のメカニズム

10．産後の月経

著者： 河上征治¹

所属機関： ¹藤田学園保健衛生大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲：P.412 - P.413

文献概要

　産褥の初回の月経，すなわちその排卵出現経過とそれに関連する因子は，泌乳状態とプロラクチン，LH-RHのResponse過程，FSH・LHに対する卵巣の感受性の問題，妊婦の一般状態（肥満度，貧血状態etc）と種々存在する。しかし本題の「産後の月経」，特に初回の月経様出血が有排卵性か，無排卵性か，悪露の延長性の状態かの判定は必ずしも容易でない。
　本稿では産褥初発排卵の時期と諸因子との関連性を中心に，著者らの若干の調査成績や文献的考察をもってまとめてみた。