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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻4号

1991年04月発行

今月の臨床 月経とその異常

月経異常と全身疾患

12.全身疾患が月経に及ぼす影響—癌化学療法、放射線療法

著者: 北尾学1 岩成治1

所属機関: 1島根医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.417 - P.419

文献概要

 各種抗癌剤の開発や投与方法・併用療法の改良により,悪性腫瘍患者の長期生存例が増加してくるにつれ,若年者の妊孕性の保存が重要な課題となってきた。現在,妊孕性の保存が可能な悪性疾患としては,婦人科領域では絨毛性疾患・卵巣腫瘍の低悪性度群・卵巣のEmbryonal carcinomaがあり,婦人科領域以外では白血病・ホジキン病・乳癌・胃癌などがある。
 癌化学療法が月経に及ぼす影響について論ずる場合,視床下部・脳下垂体,卵巣について検討しなければならない。CPM(cyclophosphamide)療法例のうち,月経の存続している婦人では血中E2,FSH,LHは周期的に変動するが,卵巣機能障害が生じた婦人ではE2は低値が持続しFSH,LHは高値が持続する更年期以降と同様のhyper—gonadotropismとなること,またLH-RH投与によりLH,FSHが上昇しGonadotropinでE2が増加しないことから,癌化学療法は主に卵巣に直接作用すると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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