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今月の臨床 月経とその異常 月経異常と全身疾患
15.神経性食欲不振症と月経異常
著者: 苛原稔1 青野敏博1
所属機関: 1徳島大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.424 - P.425
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神経性食欲不振症は,30歳以下の女性に多発し,食欲の不振ないし拒食,嘔吐などのため高度のるいそうと無月経に陥り,かつこれらの症状が3ヵ月以上持続することが特微である。本症の原因は精神的なものが主体となり,二次的にるいそうによる内分泌障害が発生し,性機能障害を含む各種内臓機能の低下が起こると考えられる。
厚生省の神経性食欲不振症調査研究班では,本症の診断基準を表1のように定めている。そのうち無月経以外の症状の特徴として,まずやせの程度は身長から算定した標準体重の20%以上を下まわることが規定されている。また発症年齢は30歳以下,ほとんどは25歳以下である。食行動の異常は本症の中核の症状で,不食が中心であるが,経過中に多食になることがあり,かくれ食いや多食の後の下剤の乱用もみられる。また体重や体型に対する歪んだ認識から極端なやせ願望がある。本症を診断する上では,やせや食行動の異常をきたす精神神経疾患や器質的疾患を除外する必要がある。
神経性食欲不振症は,30歳以下の女性に多発し,食欲の不振ないし拒食,嘔吐などのため高度のるいそうと無月経に陥り,かつこれらの症状が3ヵ月以上持続することが特微である。本症の原因は精神的なものが主体となり,二次的にるいそうによる内分泌障害が発生し,性機能障害を含む各種内臓機能の低下が起こると考えられる。
厚生省の神経性食欲不振症調査研究班では,本症の診断基準を表1のように定めている。そのうち無月経以外の症状の特徴として,まずやせの程度は身長から算定した標準体重の20%以上を下まわることが規定されている。また発症年齢は30歳以下,ほとんどは25歳以下である。食行動の異常は本症の中核の症状で,不食が中心であるが,経過中に多食になることがあり,かくれ食いや多食の後の下剤の乱用もみられる。また体重や体型に対する歪んだ認識から極端なやせ願望がある。本症を診断する上では,やせや食行動の異常をきたす精神神経疾患や器質的疾患を除外する必要がある。
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