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今月の臨床 月経とその異常 月経異常と全身疾患
20.月経異常と発癌(体癌、乳癌、卵巣癌)
著者: 半藤保1 佐々木敏江1
所属機関: 1香川医科大学母子科産科婦人科学
ページ範囲:P.439 - P.441
文献購入ページに移動 ここでとりあげる体癌,乳癌は,前立腺癌とともにホルモン依存性の代表的な癌とされている。したがって性ステロイド関連の内分泌機能が,その発生に重要なかかわり合いをもつことは想像に難くない。一方,ある種の卵巣腫瘍は極めて活発に性ステロイドホルモンを産生するので,月経異常と深くかかわることになる。ところで,卵巣癌の中でもっとも頻度の高い上皮性卵巣癌は,従来ホルモン不活性と考えられていたが,近年血中性ホルモンの測定法や免疫組織学的技法の進歩によって,ホルモンを産生するものが少なくないことが判ってきたばかりか,卵胞発育,排卵,妊娠,分娩など,一連の生殖生理学的な出来事が卵巣癌発生にかかわり合うと考えられるようになってきた。このように,体癌,乳癌,卵巣癌の発生には,多くの共通のリスク因子が関与するとされている。
本シリーズの主題にとりあげられた月経異常には,当然ながら月経周期,月経量の異常,月経困難症などの一般的な異常のほか,無月経,初経・閉経異常,排卵,妊娠,分娩など関連事項が多いため,これらについても言及し,発癌とのかかわり合いをみることとする。ただし,月経異常の内容の多くは本人の主観的評価であり,信頼性に自ずと限界があることを予め承知しなければならないとともに,対照の選択にも問題が少なくないことを考慮しておく必要がある。
本シリーズの主題にとりあげられた月経異常には,当然ながら月経周期,月経量の異常,月経困難症などの一般的な異常のほか,無月経,初経・閉経異常,排卵,妊娠,分娩など関連事項が多いため,これらについても言及し,発癌とのかかわり合いをみることとする。ただし,月経異常の内容の多くは本人の主観的評価であり,信頼性に自ずと限界があることを予め承知しなければならないとともに,対照の選択にも問題が少なくないことを考慮しておく必要がある。
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