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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻6号

1991年06月発行

文献概要

今月の臨床 今日の癌検診 乳癌

16.ふえつつある乳癌

著者: 松本圭史1

所属機関: 1大阪大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.676 - P.677

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 日本では男・女ともに胃癌が最も多いが,世界的には女性で最も多い癌は乳癌である。欧米諸国では,乳癌が発生率,死亡率ともに女性の癌の第一位を占めるからである。しかし,乳癌発生率の低い日本人,中国人でも,米国に移住して二世,三世になると,乳癌の発生率は欧米なみに上昇する1,2)。以上のことから,乳癌の発生を主に左右するのは遺伝的要因ではなく,食事などの環境要因とそれによって変化する体格であることが分る。近年になって日本婦人の食事・体格などが欧米化し,乳癌は除々に増加をつづけるようになった。そして近い将来には,日本でも乳癌が女性で最も多い癌になろうとしている。ふえつつある日本の乳癌の現状を説明し,将来を考え,その要因をさぐってみよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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