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今月の臨床 今日の癌検診 卵巣癌
20.画像診断によるスクリーニング
著者: 落合和徳1 渡辺明彦1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学産婦人科教室
ページ範囲:P.689 - P.693
文献購入ページに移動 近年種々の治療法の導入により初期卵巣癌の予後改善には目ざましいものがある。しかし早期発見を可能とするスクリーニング法が未だ確立されていないため診断時には進行例となっている症例も少なくないのは周知の通りである。同じ婦人科癌である子宮頸癌がスクリーニングとしての,細胞診,組織診の確立により劇的な予後改善を果たしたのに対し,卵巣癌では悪性度診断の決め手となる病理組織診を術前に施行するには困難なこともあり,現時点では内診,画像診断,腫瘍マーカーなどによる総合的な判定にたよらざるを得ない。
現在,卵巣癌の無症候者に対するスクリーニング法としては検診における内診以外には,複数の腫瘍マーカーを組み合わせたcombination assayがあり,簡便さ,侵襲度の低さでは極めて有用である。しかし特異性,感度や正診率の点,さらには経済的にも現段階ではスクリーニングとして多くの人に用いるには問題がある。
現在,卵巣癌の無症候者に対するスクリーニング法としては検診における内診以外には,複数の腫瘍マーカーを組み合わせたcombination assayがあり,簡便さ,侵襲度の低さでは極めて有用である。しかし特異性,感度や正診率の点,さらには経済的にも現段階ではスクリーニングとして多くの人に用いるには問題がある。
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