icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻6号

1991年06月発行

今月の臨床 今日の癌検診

外陰癌

25.外陰の前癌病変とその取扱い

著者: 山邊徹1

所属機関: 1長崎大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.708 - P.709

文献概要

 外陰のいわゆる前癌病変として,かつて共通的に取り上げられていたのは,白斑症ないし異形成,Bowen病,表皮内癌およびPaget病であり,そのほか硬化性萎縮性苔癬,外陰萎縮症や尖圭コンジローマについても論じられてきた。しかしながら,実際のfollow-up studyでは,白斑症の長期間の観察でも癌進展例は5%以下とされ,しかも異形成を伴う例のみが注意を要するというのが今日における一致した見解である。過去において硬化性萎縮性苔癬や外陰萎縮症からの癌化とされた例も,後述の異形成を伴う混合型ジストロフィーであったとみなされる。また尖圭コンジローマについては,発生要因であるHPV(ヒトパピローマ・ウイルス)の型からみて,初期の疣状癌と混同されていたためと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら