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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻6号

1991年06月発行

症例

出生前に胸腹結合体の診断を下し,帝王切開にて生児を得た症例

著者: 渡辺清彦1 高梨子篤浩1 小沼利安2 橘文紀3 赤沼直也3 平井滋4 川崎幸彦4 遠藤力5 佐藤章5

所属機関: 1福島県立会津総合病院産婦人科 2福島県立会津総合病院麻酔科 3福島県立会津総合病院病理部 4竹田総合病院小児科NICU 5福島県立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.743 - P.746

文献概要

 最近我々は胸腹結合体を出生前に診断し,生児を得た症例を経験した。症例は,28歳の1妊1産婦。妊娠38週4日で超音波検査をしたところ胸部が連続しており,胸腹結合体と診断され,翌日,帝王切開にて5,022gの胸腹結合体の女児を生産した。二重奇形の発生頻度はきわめて少なく,Zangenmeisterによると35,000例中2例と報告されている。
 妊娠中に二重奇形を診断するには超音波診断法が有力な検査法となっているが,これらの予後は,大部分は不良とされている。本例は現在,他院NICUで管理中であるが双児が心臓を共有し分離手術は困難と診断されている。
 以上,今回我々は胸腹結合体の一例を経験したので妊娠後期に診断される胎児奇形のカウンセリソグに対する考究を添え,報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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