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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻7号

1991年07月発行

原著

妊娠高血圧(PIH),子癇およびHELLP症候群における胎盤変化

著者: 有澤正義1 中山雅弘1 木戸口公一1

所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター

ページ範囲:P.867 - P.870

文献概要

 HELLP症候群や子癇は妊娠中毒症に深い関係があるとされているが,それぞれの病態はいまだに確立されていない。そこで今回われわれは,妊娠高血圧(PIH)における胎盤所見を明らかにし,HELLP症候群や子癇の胎盤所見を比較し,それらの病態を検討した。HELLP症候群では,肉眼的にも顕微鏡的にも胎盤の虚血性変化が高率であった。これはIUGRを合併したPIHと同程度の合併率であり,強く妊娠中毒症との関係が推測された。またHELLP症候群の胎盤の母体側に50%の頻度で顕微鏡的血栓が認められ,基礎病態の1つとして凝固障害があると考えられた。HELLP症侯群を合併していない子癇の胎盤所見は虚血性変化がIUGRを合併した重症型のPIHと比べると乏しく,今後臨床的な誘因の検討が必要であろうと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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