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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻8号

1991年08月発行

雑誌目次

今月の臨床 外来でみる感染症 最近の外来でみる感染症

1.産科外来

著者: 前田真 ,   寺尾俊彦

ページ範囲:P.896 - P.897

 最近,子宮頸管炎と切迫早産との関連性が再度注目されるようになり,また多種の性感染症(STD)患者の急増に伴い,産科(妊婦)外来でも従来の梅毒やB型肝炎ウイルスなどのスクリーニング以外にさらに新たな感染症の診断・治療技術が必要となり,その重要性が増してきている。そこで本項では,産科外来でみられる感染症のうち,最近増加傾向にあるものを中心に頻度の高いものについて,その概略を述べる。

2.婦人科外来

著者: 清水哲也

ページ範囲:P.898 - P.899

 近年の抗生剤の目ざましい発展により感染症治療の奏効率は高いものとなった反面,抗生剤の汎用により感染症自体は質的な変貌をとげてきている。つまり起炎菌として過去にはグラム陽性菌が主流を占めていたが,しだいにE.coliに代表されるグラム陰性桿菌が主体となり,現在では嫌気性菌との混合感染が注目されるに至っている。さらに宿主の生体防御機構が低下したいわゆるcompromized hostが弱毒菌に犯される日和見感染(opportunistic infection)が増加し治療に苦慮することも多くなってきている。また環境要因の変化は,従来の淋疾に変わりクラミジア,ヘルペス感染などがSTD(sexual transmitted disease)の表徴的な病原微生物として注目を浴びつつある。このように医療技術や抗生剤の進歩,環境要因の変化にともない産婦人科感染症は新たな展開をむかえようとしている。本稿では婦人科外来における細菌感染症の現況を自験例をもとに概説する。

3.小児思春期外来

著者: 広井正彦 ,   川越慎之助

ページ範囲:P.900 - P.901

 小児思春期婦人科疾患のなかで,外陰腟炎は月経周期異常などとともに最もしばしばみられるものの一つである。とくに,小児期においてはエストロゲンの欠如による腟粘膜の菲薄化と腟自浄作用の低下があり,その上,排尿,排便の自己処理の不手際などもあって,腟内には種々の細菌が繁殖しやすい状況にある。初経発現も間近になってエストロゲンの分泌が増量すると乳酸桿菌も増し,腟内は酸性を呈して大腸菌,ブドウ球菌などの病原細菌の性管腔内への侵入や発育は抑えられ,炎症が発生しにくい状態になってくる。しかし,タンポンの誤用とか性癖,性行動の如何によっては十代の後半にも成人と同様の炎症性疾患がみられてくるし,いわゆるSTDの増加も目立つようになってきている。

4.救急外来

著者: 滝沢憲

ページ範囲:P.902 - P.904

 救急外来を訪れる患者の中でPID(骨盤内性器感染症)が頻度,鑑別診断,治療上から最も重要であることを述べ,最近の婦人科非特異的感染症から分離された起炎菌についても述べる。

症候と感染症

5.帯下

著者: 高橋克幸

ページ範囲:P.905 - P.907

 帯下は正常婦人においても多少は認められる。また,不快を感じて来院した場合の帯下の原因も感染性,癌性,ホルモン失調性,妊娠性,心因性など多様である。外来での頻度は感染性による帯下が最も多いが,その中でトリコモナス,カンジダ,および非特異性細菌によるものが多い。一時淋菌が検出されることは稀であったが,最近増える傾向にある。近年STDとして話題のクラミジアでは,帯下を訴えない症例が少なくない。
 帯下の量・性状には個人差があり,訴えも主観が大きいことから,必ずしも病的でない場合がある。検査に先立って詳細な問診をしなければならない。

6.発熱

著者: 佐藤啓治

ページ範囲:P.908 - P.910

 実地臨床における症状としての発熱の重要性は,医療技術の発展した今日にあってもいささかも変わらない。ときに生命に危険を及ぼす重篤疾患の前駆的症状のこともあり,その予防も含め適切な対応が望まれる。熱発を主訴に来院する患者は,感染症とくに上気道感染の場合が多いのであるが,とくに妊娠合併の有無は治療薬の児への影響も無視できず,軽々しく取り扱うことは危険である。
 また,本稿では除外するが,悪性腫瘍や膠原病などが感染以外の発熱の重要要因であることを念頭にして決して忘れてはならない。

7.疼痛

著者: 戸谷良造

ページ範囲:P.912 - P.913

 産婦人科外来を受診する患者の主訴のうち,疼痛に関連するものの頻度は極めて高い。しかし,そのうち感染症によるものの頻度は比較的少なく,感染症が見落とされやすい問題点ともなっている。疼痛に関しては,部位,および最近発症したものか,慢性的なものか,月経周期との関連,あるいは妊娠しているか否かなどが大きな問題点となる。また,年齢への配慮も大切である。以下疼痛をテーマに,部位別に述べんとする。

8.頻尿

著者: 古谷健一 ,   永田一郎

ページ範囲:P.914 - P.916

 膀胱は直腸とならんで女性内性器に最も隣接した臓器であり,産婦人科臨床において排尿異常・障害に関する泌尿器科的な基礎知識や鑑別診断は非常に大切である。ここでは尿路感染症の診断と治療について述べるとともに,防衛医大病院における尿路感染症の検出細菌分類と薬剤感受性の成績について検討を加える。

9.不正出血

著者: 長田尚夫

ページ範囲:P.918 - P.919

 不正出血は,日常診療において非常に良く遭遇する重要な症状の一つであり,またその疾患も多岐にわたる。外来診療の少ない時間内で不正出血の診断をすることは,必ずしも容易でない。特に感染症による不圧出血の診断には,性器出血を十分理解したうえで機能性子宮出血,器質性出血ならびに産科的出血との鑑別診断が必要となる。感染症が原因となる不正出血は,必ずしも主訴でなく,他の随判症状として外来を訪れる場合が多い。この不正出血の原因となる感染症の感染経路は,STD-sexually transmitted diseasesによる上行性感染によるもので,今日性の解放傾向と相まって社会的に拡大する傾向にある。本稿では,感染症が原因で不正出血をきたす疾患の鑑別診断と,その中でも最も多くみられるクラミジアによる子宮頸管炎,細菌性子宮頸管炎ならびに特異な疾患として老人性腟炎について述べる。

診断法の進歩

10.局所抗原検査法—Micro Trak

著者: 早田隆

ページ範囲:P.920 - P.921

 マイクロトラックはモノクローナル抗体を用いた微生物の顕微鏡的直接検出法である。現在,クラミジアとヘルペスに対するマイクロトラックを本邦で使用できる。本項では不妊症と関連があるとされるクラミジアのマイクロトラックを中心に述べる。

11.嫌気培養法—嫌気ポーター

著者: 千村哲朗

ページ範囲:P.922 - P.924

 産婦人科領域の感染症の起炎菌の動向は,常用抗生物質の抗菌スペクトラムと抗菌力の影響を多分に受け,グラム陰性桿菌や嫌気性菌とくにBacteroidesとの混合感染などによる骨盤内感染の頻度が高くなっている。感染症の特徴をその分離菌の傾向からみると,E.coliを主体としたグラム陰性桿菌または嫌気性菌の重要性が指摘されるし(図1),周産期感染症でも,無破水状態での羊水中で羊水穿刺による成績でも,切迫早産例でグラム陰性桿菌(15.3%),嫌気性菌(47.4%),グラム陽性球菌(19.3%)が検出されている(図1)。
 嫌気性菌の検出率の向上は,嫌気性菌輸送容器・培地の進歩と検査法の確立に負うところが多いといえるが,ここでは嫌気性菌の検出における輸送容器について述べる。

12.IgA,IgG検査法—イパザイム

著者: 大頭敏文 ,   青野敏博

ページ範囲:P.926 - P.928

 一般に感染症の診断は,その臨床症状や特異病変に加え,病原体の検出,血清学的な特異抗体の検出によってなされている。抗体検査ではペア血清による抗体価の上昇を捕えるかImmunoglobulin(Ig)G,IgM,IgAなどクラス別抗体を検出し,感染の有無が検討される1,2)。性行為感染症の中で最も頻度の高いクラミジア感染症においても,抗クラミジア抗体(IgG,IgA)測定の有用性が報告され,すでに臨床応用されている3)。本稿では,クラミジアに対する特異抗体検出法について概説する。

13.DNA診断法—VIRA PAP HPVキット

著者: 岩崎秀昭 ,   稲葉憲之 ,   深沢一雄 ,   高見沢裕吉

ページ範囲:P.930 - P.932

 1961年にハイブリダイゼーション法という技術が開発され,その後これを利用した研究が幅広く行われている。特定の遺伝子DNAの断片をプローブとして用いる診断が感染症の領域に導入され臨床微生物学に応用されている。DNAプローブ法は遺伝子を直接検出するので,従来の診断法に比し極めて短時間かつ正確に結果が得られる利点がある。近年,産婦人科領域にもDNAプローブを用いての研究が,とくに感染症領域におけるヒトパピローマウイルス(HPV)を主体にサイトメガロウイルス,B型肝炎ウイルス,クラミジア,淋菌の診断に,また羊水による胎児の遺伝子異常の診断にもみられるようになっている。
 産婦人科領域のDNA診断は,出生前診断を中心とした産科領域と,ウイルスとくにHPV検出を目的とした婦人科領域がある。

感染症とその治療

14.カンジダ

著者: 高田道夫

ページ範囲:P.933 - P.935

カンジダ症とは
 医真菌によってひきおこされる病態には深在性真菌症と浅在性真菌症とがある。
 浅在性真菌症は,粘膜・皮膚真菌症とも呼ばれ,Candidaはその主たる病原菌である。

15.トリコモナス

著者: 北尾学

ページ範囲:P.936 - P.937

 腟炎の発生には腟の自浄作用と関係があるとされているが,現に外来患者の20〜30%は腟炎であることから臨床的には重要な疾患である。腟炎のなかで最も多いのが,腟トリコモナスTrichomonas vaginalisという原虫(図1)によって起こるトリコモナス腟炎trichomonas vaginitisであり,性行為感染症sexually transmitted disease(STD)の1疾患でもある。さらに腟炎の治療にあたり,症状および帯下の性状による鑑別診断(表1)が必要である。

16.クラミジア

著者: 松田靜治

ページ範囲:P.938 - P.940

 近年C.trachomatisが婦人性器の子宮頸管炎や子宮付属器炎すなわちPID(pelvic inflammatory disease)の病原微生物として一般細菌とともに重要な位置を占めていることが漸次明らかにされてきた。とくに非淋菌性炎症性疾患(尿道炎,子宮頸管炎など)の病原体として重視されている。C.trachomatisの感染婦人では男性に比べて特定の症状を現わさないため,その実態が明らかでない面も多いが,第一に子宮頸管炎の原因菌として注目されるようになった。クラミジアのPIDとの関係もこれと同様に第一に不顕性感染の多いことを念頭におかなければならない。

17.淋疾

著者: 長南薫

ページ範囲:P.941 - P.945

 淋疾は古くからよく知られたSTDの一つであるが,最近の問題点としては次の3点があげられる。第1は,有効な抗菌物質が続々と開発され広く用いられているにもかかわらず,世界中で多発しつづけており,特に1980年前後から増加傾向にあることで,公衆衛生学上重大な問題であり,外来でみる感染症として忘れてならない点である。
 次に耐性菌増加の問題で,なかでもペニシリン耐性を示すペニシリナーゼ産生淋菌(penicillinase-producing Neisseria gonorrhoae;PPNG)によるものが増加している。PPNGは,β-ラクタム環を有するペニシリンを分解するペニシリナーゼを産生する耐性淋菌で,その産生遺伝子は核外遺伝子であるプラスミド上にあり,この耐性プラスミドの接合伝達により,PPNGが世界的に蔓延しているもので,その分離率は東南アジアで40〜50%,わが国でも10〜20%といわれ1),年次的に増加傾向にある。このことは,ペニシリンを中心とする淋疾治療の標準的薬物療法について留意を要する点である。また,PPNGの他にスペクチノマイシン,テトラサイクリン耐性淋菌の存在も報告されている1,2)

18.梅毒

著者: 淵勲

ページ範囲:P.946 - P.948

 最近,婦人科外来で行っている梅毒の診断と治療の手順について述べる。

19.尖圭コンジローマ

著者: 吉川裕之

ページ範囲:P.950 - P.951

疫学とウイルス学
 尖圭コンジローマ(Condyloma Acuminatum)はヒトパピローマウイルス(HPV)の性行為感染により発生する良性腫瘍(乳頭腫)である。
 腟・子宮頸部に限局する尖圭コンジローマでは外陰癌・子宮頸癌の発生に関与するHPV 16やHPV 18が検出されることがあり,癌との関係も否定できないが,外陰の尖圭コンジローマでは多くはHPV 6およびHPV 11が発生原因と考えられ,癌との関係はほとんどないと考えてよい。ただし,鑑別診断としてボーエン様丘疹症(bowe—-noid papulosis-HPV 16感染による前癌病変),giant condyloma,外陰癌などがあり,組織診断を省略することはできない。

20.単純ヘルペス

著者: 北川道弘

ページ範囲:P.952 - P.954

 単純ヘルペスウイルス(HSV:Herpes Simplex Virus)は外来診療において遭遇する機会はそれほど多くはないものの近年増加傾向にあり,患者の苦痛は強く,とくに妊娠を合併した場合は母児感染の問題も含み十分な配慮を要する疾患である。ヘルペスの標的器官は脳,眼,口腔,皮膚,粘膜など多彩であるが,産婦人科的に問題となるのは外陰ヘルペスである。
 最近はヘルペスを直接検出する検査法の開発や高い有効性を有する薬剤の普及により早期発見,早期治療が可能となってきている。そこで本稿では外陰ヘルペスを中心に外来診療における診断,検査,治療法の要点について述べる。

21.子宮内膜炎

著者: 山元貴雄

ページ範囲:P.956 - P.957

 子宮内膜炎は,子宮付属器炎とならび日常診療の場で,最も遭遇する機会の多い女性性器感染症である。
 子宮内膜炎は,臨床症状が軽微なためか,比較的安易に取り扱われている嫌いがある。しかし,子宮内膜は受精卵の着床およびその生育にとって必要不可欠な部位であるため,子宮内膜炎の不適切な治療が妊孕能に及ぼす影響は多大である。

22.頸管炎

著者: 木村好秀 ,   笠井靖代

ページ範囲:P.958 - P.959

 従来,頸管炎はその臨床像をはじめ診断や治療がクリアーカットに行えず,比較的等閑視されてきた。しかしクラミジア頸管炎が,性感染症(STD)と関連して臨床上重要となり,産科的にも流早産,絨毛膜羊膜炎,前期破水,新生児感染症の原因となり注目されている。また子宮腟部びらんに伴う慢性頸管炎の取り扱いなど,その抱える問題は多岐にわたっている。そこで本稿では頸管炎の臨床上の問題点について,2,3述べてみたい。

23.PID

著者: 中村隆一 ,   曽我洋士

ページ範囲:P.960 - P.962

 本来,解剖形態学的な男女の大きな差異は,外見的休型や外生殖器の相違もさることながら,外界から完全に遮断された男性の腹腔に比べて,女性の腹腔は—腹腔内に排出された卵子を体外まで妊娠娩出する通路を持つため—外界と交通していることだと言える。
 月経血の骨盤腔への逆流はしばしば見られるし,恐らく性交の度ごとに多くの精子が卵管の膨大部に到達し,その一部は釆を通過して時には腹腔まで上昇し得ることを考えると,女性の骨盤腔は常時細菌感染に曝されていると思うべきである。

後遺症

24.不妊症

著者: 野口昌良

ページ範囲:P.964 - P.966

 不妊症のうちでも卵管およびその周辺の病変に起因するいわゆる卵管性不妊症は,最も頻度が高いとされている。10年以上前までは,この卵管関連の病変の多くが淋菌の感染によるものと,結核菌感染によって生じた炎症の結果であると考えられてきた。もちろん大腸菌などによる感染によっても卵管不妊症は誘発されるが,前の二つの起炎菌よりは傷害に可逆性があると思われてきた。著者は卵管性不妊症の手術療法を手がけてきたため,卵管およびその周辺の病変の成因に関する検討も同時に行ってきた。そして,1980年前後より海外の報告に卵管炎や卵管留水症の原因菌としてクラミジア・トラコマティスの存在が示されるようになり,注目を続けてきた。そして,クラミジア・トラコマティスの検出方法や分離培養法の検討を手がけるうちに,この微生物が卵管周辺の障害をもたらす原因として,少なからぬ関与をしていることを確信するに至り,関連事項について臨床的,基礎的検討を続けてきた1,2)。その一端をここに紹介したい。

25.下腹痛・腰痛

著者: 山口光哉

ページ範囲:P.967 - P.967

 婦人科領域における主訴として,下腹痛,腰痛は最も頻度の高いものの一つであり,その原因も多岐にわたるが感染症も重要な疾患として挙げられている。
 産婦人科感染症による下腹痛・腰痛は下腹痛を主体とし腰痛は付随的に生ずるものであり腰痛のみ発生することはまれである。

26.再発感染症

著者: 堀井高久 ,   野田起一郎

ページ範囲:P.968 - P.970

 感染症において再発という言葉は,広義には再燃と狭義の再発(再感染)の2つの意味に解釈可能である。再燃は,先に行われた化学療法の効果判定が不適切であったり,臨床的に有効な治療が先に行われていたとしてもその期間が十分でなかった時などにおこり,細菌学的にはいったん菌数が減少した起炎菌が消失まで至らず再増殖して再燃に至るものと考えられる。したがって,この場合の起炎菌は化学療法施行前に分離された菌と同一である。一方,再感染は感染症が臨床的にいったん治癒に至り,細菌学的にも起炎菌の消失に至った後に,新たに細菌の感染が同じ部位に成立するものであり,この場合の起炎菌は先の感染と同一のこともあるし異なることもある。
 本稿では,主として新薬の研究会の成績から,産婦人科領域感染症の起炎菌とそれらに対する各種薬剤の有効率を検討し,産婦人科領域感染症治療の実態を明らかにするとともに,次にそれと関連して再発感染症について治療面を中心に述べてみたい。そして,最後に最近話題になっている耐性菌と重感染についても簡単にふれたい。

感染症の関連増長因子

27.ピル

著者: 植村次雄

ページ範囲:P.972 - P.973

 ピルは手術による永久避妊を除くと最も確実な避妊法で諸外国では避妊法の中で最も広く用いられている。わが国でも1987年より低用量ピルの臨床治験が開始され,現在,厚生省へ申請がなされているので,間もなく厚生省の認可がおりる段階となってきている。日本ではピルの服用者が少ないこともあって,殆ど報告はないが,欧米ではカンジダ腟炎,クラミジア感染などの高い罹患率がピル服用者で報告されてきている。そこで腟カンジダ症,クラミジア感染,淋病,骨盤内感染症pelvic inflammatory disease(PID)とピルとの関係について以下に述べる。

28.妊娠

著者: 荒川公秀

ページ範囲:P.974 - P.976

 妊娠という現象が感染症の増長因子たり得るか否かについては,一概には結論づけられない。確かにこれまでにも,妊娠の合併によって感染が重篤化し,死亡率が増加するという統計が,とくに海外にて散見される。
 表1は川名の文献1)より引用したものであるが,ウイルス性肝炎や痘瘡,あるいは水痘肺炎の流行時などに高い頻度の母体死亡率がみられる。

29.加齢と感染症

著者: 長町典夫 ,   寺澤晃司 ,   近藤肇

ページ範囲:P.978 - P.979

 小児,思春期についてはすでに書かれているため,ここでは高齢者と感染症について概説する。

カラーグラフ 産婦人科領域におけるレーザー療法・2

子宮頸部の初期癌に対する円錐切除法

著者: 蔵本博行 ,   脇田邦夫 ,   泉貴文

ページ範囲:P.892 - P.893

 子宮頸部の異形成や上皮内癌に対するレーザー蒸散法は,妊孕性を温存する優れた保存療法として前回紹介したとおりである.本法を用いるに当たっては,正確な診断が必要であり,いわゆる上皮内の腫瘍に限って適応となることを強調しておきたい.しかし,診療の実際において,正確な診断に苦慮し浸潤を完全に否定することが困難な症例に出くわすことも稀ではない.このような場合,従来からメスによって行われていた円錐切除術と同様に確定診断を下すことができ,しかもメスによる煩雑さが伴わない方法があれば有難いところである.レーザー円錐切除法はこのような期待に応えるものである.われわれは蒸散法と同様に,この円切法を局所麻酔のうえ外来で行っているので紹介したい.
 微小浸潤癌は,現在縮小手術によって治療されることが定着しているが,さらに一歩進めレーザーで円錐切除し組織病理学的に完全に摘除されていることが確認されれば,追加治療を行わずこれで根治的療法とする傾向にある.

Current Research

胎児仮死の病態

著者: 岡村州博

ページ範囲:P.981 - P.992

 “胎児仮死”という言葉は一般臨床では“胎児が危険である”と言う意味で頻繁に使われる言葉である。日本産婦人科学会の定義では「胎児・胎盤系における呼吸・循環不全を主徴とする症候群」とされているが実際にはその定義に基づく解釈が非常に曖昧な中で,われわれはその病態を把握するまでにいたらず,曖昧模糊とした状態で診療していると言っても過言ではない。胎児仮死の病態の理解と,診療の向上のためには同じ定義と認識のもとで論議を深める必要がある。従ってわれわれが行ってきた胎児仮死の病態,診断に関する研究の結果を紹介する前に,まずわれわれの研究方針を決定する簡単な定義を示しておきたい。「何らかの処置をしなければ,児は重篤な機能障害を残す可能性のある胎児の酸素摂取不全状態」というのが現在の時点での定義であるが,これは,Parerが述べている“補正または回避しなければ非可逆性の中枢神経障害を残すか,死にいたる持続的な胎児虚血状態”としている定義1)とほぼ同様である。しかしわれわれは一歩踏み込んで中枢神経系の障害のみならず循環系を含めた胎児臓器の障害を起こす可能性のある状態という認識に基づいている。このような胎児仮死に陥っている胎児はどのようにして低酸素状態と戦っているかを理解し,胎児がわれわれに与えてくれるwarning signをいかに的確にとらえ重篤な障害の発生を回避できるかを追求することが胎児仮死の病態を研究する基本であると考える。本稿ではこのような観点から行ってきたわれわれのヒツジ胎仔の生理学的慢性実験モデルを用いた急性胎児仮死(便宜的に欧米におけるacute fetal distressを称する)での実験の結果を示し,また現在のところ慢性胎児仮死(chronic fetal distressを称する)の動物実験モデルは確立していないため,臨床的に胎児採血により得られた胎児血所見と各臨床検査所見からその病態にも言及する。しかしながら,acuteとchronicでその病態が異なる部分と,類似する部分が有り,またいわゆる,acute on chronicな状態では,またその病態も複雑に異なると思われるので,本稿で述べる結果が胎児仮死の病態全てを反映するとは言い得ないことをあらかじめお断りする。さらに,上述のごとき現状を踏まえつつわれわれの実験と臨床データをもとに考察したい。

原著

外来におけるHPV検出キットの有用性

著者: 早田隆 ,   松敬文 ,   穴井孝信 ,   村田博久 ,   薬師寺喜八郎 ,   宮川勇生 ,   長浜純二 ,   林田蓉子 ,   横山繁生

ページ範囲:P.993 - P.996

 ヒトパピローマウイルス(HPV)は尖圭コンジローマの原因とされているが,近年,子宮頸癌との関連についてもにわかに脚光を浴びてきた。
 そこで,初診患者32例を対象として,HPV検出キットを用いてHPVの感染の有無を観察し,同時に採取した子宮頸部細胞診との比較,検討を行った。
 その結果,細胞診Class ⅠおよびClass Ⅱでは全例本法陰性で,Class Ⅲ以上では本法にて陽性例(6.3%)および要再検例(6.3%)が混在することが判明した。すなわち陽性例の2例は上皮内癌と老人性腔炎の各1例で,要再検例は2例とも上皮内癌であった。
 よって,我々の用いたHPV検出キットは細胞診陰性群をスクリーニングすることに有用であると見なされた。

症例

卵巣腫瘍と鑑別困難であった後腹膜神経鞘腫の2症例

著者: 市川喜仁 ,   清水敬生 ,   手島英雄 ,   荷見勝彦 ,   増淵一正

ページ範囲:P.997 - P.1001

 卵巣腫瘍との鑑別が困難であった後腹膜原発神経鞘腫を2例経験したので報告する。症例1は76歳,腹部膨満と腹部腫瘤を主訴に来院。右卵巣腫瘍の術前診断にて開腹したところ,120×100×150mm大の後腹膜原発腫瘍であった。病理組織学的には,Antoni A型とB型の混在する神経鞘腫で,腫瘍内出血と嚢胞変性が見られた。症例2は50歳,腹部腫瘤を主訴に来院。卵巣腫瘍の術前診断にて開腹したところ,130×130×60mm大の後腹膜原発腫瘍であった。病理組織学的には,cellularityが高く腫瘍細胞の核もやや大きめだが,mitosisは殆ど見られず被膜も完全で,Antoni A型優位の神経鞘腫と診断した。

臍帯血管に石灰化が認められた2症例の検討

著者: 有澤正義 ,   中山雅弘

ページ範囲:P.1003 - P.1005

 本邦では臍帯の石灰化については,Wharton�s jellyの石灰化が報告されているが,血管の筋層への石灰化の報告はない。われわれは血管筋層の石灰化を認めた2症例を経験した。症例1は妊娠42週で分娩,子宮内胎児発育遅延の合併が認められた。臍静脈・動脈の石灰化および未熟絨毛の合併も認められた。症例2は妊娠41週で分娩,臍帯には静脈・動脈の両方に石灰化,絨毛には未熟絨毛の合併が認められた。児には巨大な腎臓腫瘍の合併も認められた。臍帯血管の筋層の石灰化については,臍帯血管の血栓,浸軟児・胎児水腫・Salla diseaseなどの例で報告されている。今回の2例は浸軟および感染の関連は考え難かったが,いずれの症例も新生児および絨毛の異常を合併しており,子宮内のなんらかの異常および児の代謝異常が合併していたのではないかと考えられた。

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 大規模災害時の周産期医療―災害に負けない準備と対応

75巻5号(2021年5月発行)

今月の臨床 頸管熟化と子宮収縮の徹底理解!―安全な分娩誘発・計画分娩のために

75巻4号(2021年4月発行)

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

75巻3号(2021年4月発行)

今月の臨床 女性のライフステージごとのホルモン療法―この1冊ですべてを網羅する

75巻2号(2021年3月発行)

今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?

75巻1号(2021年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ

74巻12号(2020年12月発行)

今月の臨床 着床環境の改善はどこまで可能か?―エキスパートに聞く最新研究と具体的対処法

74巻11号(2020年11月発行)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

74巻10号(2020年10月発行)

今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで

74巻9号(2020年9月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

74巻8号(2020年8月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?

74巻7号(2020年7月発行)

今月の臨床 若年女性診療の「こんなとき」どうする?―多彩でデリケートな健康課題への処方箋

74巻6号(2020年6月発行)

今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ

74巻5号(2020年5月発行)

今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル

74巻3号(2020年4月発行)

今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する

74巻2号(2020年3月発行)

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

74巻1号(2020年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス

73巻12号(2019年12月発行)

今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤

73巻11号(2019年11月発行)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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