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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻8号

1991年08月発行

今月の臨床 外来でみる感染症

後遺症

26.再発感染症

著者: 堀井高久1 野田起一郎1

所属機関: 1近畿大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.968 - P.970

文献概要

 感染症において再発という言葉は,広義には再燃と狭義の再発(再感染)の2つの意味に解釈可能である。再燃は,先に行われた化学療法の効果判定が不適切であったり,臨床的に有効な治療が先に行われていたとしてもその期間が十分でなかった時などにおこり,細菌学的にはいったん菌数が減少した起炎菌が消失まで至らず再増殖して再燃に至るものと考えられる。したがって,この場合の起炎菌は化学療法施行前に分離された菌と同一である。一方,再感染は感染症が臨床的にいったん治癒に至り,細菌学的にも起炎菌の消失に至った後に,新たに細菌の感染が同じ部位に成立するものであり,この場合の起炎菌は先の感染と同一のこともあるし異なることもある。
 本稿では,主として新薬の研究会の成績から,産婦人科領域感染症の起炎菌とそれらに対する各種薬剤の有効率を検討し,産婦人科領域感染症治療の実態を明らかにするとともに,次にそれと関連して再発感染症について治療面を中心に述べてみたい。そして,最後に最近話題になっている耐性菌と重感染についても簡単にふれたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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