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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科45巻9号

1991年09月発行

雑誌目次

今月の臨床 産婦人科内科—治療のポイント 思春期

1.低身長

著者: 高野加寿恵

ページ範囲:P.1022 - P.1024

 低身長者(小人症)の定義は一定していないが,一般に身長が同性同年齢の平均身長より−2SD以下を言う場合が多い。子供が将来低身長になるかどうかは定期的に身長を測定して日本人小児の成長曲線にプロットしてその手がかりを得ることができる。身長カーブが横バイとなった場合も低身長になる可能性がある。そのような場合はスクリーニング検査を行い,低身長の原因を検討することが大切である。

2.アトピー性皮膚炎—特に思春期以降の成人型アトピー性皮膚炎

著者: 池澤善郎

ページ範囲:P.1026 - P.1031

 アトピー性皮膚炎(AD)は,家族的・遺伝的過敏性体質(別名アトピー体質)があるものに発症する痒みの強い湿疹性皮膚疾患で,その多くは乳幼児期から発症して成長と共に軽快傾向を示すとされている。しかしながら,最近,皮膚科外来では頻回に再燃を繰り返し各種治療に抵抗する難治性のADが増加している。このような難治例は乳幼児期や学童期にもしばしば見られるが,思春期以降の成人型ADにおいて特に多い傾向がある(図1参照)。恐らく,こうした傾向と関係して,思春期以降もなかなか軽快しない症例や思春期以降に始めて発症ないし増悪する症例が増えているものと思われる。ADの病因・病態には不明な点が多いが,アトピー体質があるものに食物アレルギーや環境物(例,ダニ,カビ,金属など)アレルギーが生じて本症が発症し,これにしばしば細菌感染や心因性反応なども加わるとされている。食物アレルギーに関しては専門家の間でも今日なお意見の違いがある。筆者らは,臨床統計ならびに食事療法の効果などから,乳幼児ADだけでなく思春期以降の成人型ADにおいても特に重症例には食物アレルギーが重要な役割を果たしていると考えている1,2)。本稿では,この難治性の成人型ADに焦点をあて,ADの皮膚症状,検査所見,発症・重症化の機序,治療などについて解説する。

3.思春期のやせ(体重減少)

著者: 楠原浩二

ページ範囲:P.1032 - P.1034

 飽食時代といわれるこの現代では肥満は一般に忌むべき状態と考えられ,少なくとも思春期の女性は常に肥満になる事を気にかけている。この事が逆にやせる事は美的な事と誤解し,不必要なやせ願望が生じる。このようなやせに対する願望,あるいはあこがれが時として不必要な食餌制限すなわちダイエットへとつながる風潮がみられる。市販されている女性対象の雑誌にはいかにしたらやせられるかという体験談や食事メニューの紹介が繰り返し掲載されている事からも,いかに若い女性がこの事に神経をつかっているかがうかがい知れる。
 一般に肥満者がやせて標準体重にいたる事は健康上,あるいは美容上推奨されるべき事である。しかし問題は思春期の女子では客観的にみて肥満でもないのによりスマートになろうとダイエットに努力し,過度の体重減少をはかることである。時には標準体重にあるのにさらにやせようと努力する例もある。しかも体重減少を急激にストイックに行う傾向があり,そこに問題が生じる1)。すなわち急激な過度の体重減少は主に視床下部を障害し,その結果gonadotropin分泌を抑制する。その結果それでなくても,いまだ完成途上にある間脳−下垂体−卵巣系のホルモン分泌の失調をきたし排卵障害,臨床的には続発性無月経にいたる。これは体重減少性無月経とよぼれるものである。従来,著明な食行動異常(主に極端な少食やかくれ食いなど)に伴う続発性無月経は神経性食欲不振症anorexia nervosaとして有名であるが,最近の種々の検討より体重減少性無月経はこれと別個の病態として区分し考えられるようになってきた2)。anorexia nervosaは続発性に無月経にいたるため産婦人科を受診する事も多いが,その本態の中枢は心身医学的領域に属するものである。一方,体重減少性無月経は環境性無月経などと同様,産婦人科がその治療の主体となる疾患である。従って本稿では体重減少性無月経に限り治療法について述べてみたい。繰り返しになるが,やせていること,あるいはやせること自体が問題なのではなく,これにより月経異常にいたることが問題であり,治療の対象となるのである。

4.思春期の肥満

著者: 毛野義明 ,   徳永勝人 ,   松沢佑次

ページ範囲:P.1036 - P.1037

 肥満とは過度に体脂肪が蓄積した状態をさし,肥満症は肥満状態にあるため糖・脂質代謝異常や循環器疾患,脂肪肝などの合併症を有するか将来合併する危険性の高い疾患単位と定義できる1)。肥満成人と同様,思春期の肥満においても肥満を基盤とするあるいは肥満に伴う種々の合併症の有無が治療の必要性を決定する。本稿では思春期肥満の特徴およびその問題点を上記の観点から論じその治療法について概略する。

5.思春期早発症

著者: 三宅侃 ,   甲村弘子

ページ範囲:P.1038 - P.1039

 思春期早発症の治療法は,本法を惹起した原因疾患により異なるし,治療効果は治療開始時の年齢や重症度によることは,他の疾患と同様である。しかも本症では10歳未満の女児を対象とするので,診断や治療の適・不適が,その児の長年にわたる生活に影響を与える。本症ではエストロゲンの早期分泌 ↓ 過剰な骨成熟 ↓ 当初暦年齢より高身長 ↓ 骨端線の早期閉鎖 ↓ 最終的に低身長となり,これを矯正治療することが最も重要である。したがって本症では,早期の診断が要求され,適切な治療が必要である。

性成熟期

6.多毛症

著者: 成田収 ,   北川武司

ページ範囲:P.1040 - P.1041

 女性における多毛とはアンドロゲンに感受性のある顔面・胸部・腹部・背部などに終毛の発生を認める場合をいう。
 多毛の原因には,遺伝的・家族的要因が挙げられるが,①卵巣あるいは副腎からのアンドロゲンの過剰分泌,②末梢組織でのプレホルモンからアンドロゲンへの転換量の増加,③性ホルモン結合蛋白の減少,④皮膚における標的臓器である毛嚢のアンドロゲン感受性の亢進,などが挙げられる(表1)(図1)。これらのうち,①②③のアンドロゲンの過剰および性ホルモン結合蛋白の減少は,多毛・座瘡・脂漏などの美容上の問題の他に無月経・排卵障害などの月経異常を伴い不妊の原因となりうると報告されており,治療にあたってはこの点にも注意が必要である。

7.ベーチェット病と外陰潰瘍

著者: 熊坂高弘

ページ範囲:P.1042 - P.1043

 概念 ベーチェット病は炎症を症状とする慢性疾患で口腔粘膜の再発性アフタ,結節性紅斑などを症状とする皮膚疾患,眼症状(ブドウ膜炎),外陰潰瘍の4主症状を呈する疾患である。またしばしば消化器,中枢神経系(neuro-Behçet),循環器(vasculo-Behçet)にも侵襲がおよび症状は多彩で一つの疾患というより症候群というべきである。わが国では難病として厚生省特定疾患に指定されている。
 原因 遺伝的素因としてはHLA-B 51やD領域抗原,あるいは自己免疫が関与しているとの報告もあるが決定的でない。組織像では白血球浸潤を伴う滲出傾向の強い急性炎症像を示す。

8.乳腺症

著者: 弥生恵司

ページ範囲:P.1044 - P.1047

 乳腺症は,主に中年女性にみられる非炎症性,非腫瘍性の疾患で,乳腺内に腫瘤様硬結を形成する。乳腺外来を訪れる乳腺疾患のなかでは最も多く,乳腺疾患の30〜50%を占め,乳腺線維腺腫,乳癌とともに乳腺の3大疾患といわれており,臨床的に重要な疾患である。さらに乳腺症は,好発年齢が乳癌に近いこと,乳腺症に合併して乳癌が存在する場合があること,乳腺症を母地とした乳癌発生の可能性の存在など乳癌との関連という点からもその診断・治療には,とくに慎重であらねばならない。本稿では,乳腺症の本態,病理組織,臨床像に簡単にふれ,著者の治療方針を紹介する。

9.STDと内科疾患

著者: 根岸昌功

ページ範囲:P.1048 - P.1049

 性成熟期の女性に起こるSTDは,患者本人の問題であると同時に,妊娠出産を介して,その児への感染に関係する問題でもある。ここでは,STDのうちシステミックな感染を起こす疾患のいくつかについて述べる。

10.心身症の治療

著者: 岡村靖

ページ範囲:P.1050 - P.1053

疾患の診断と治療における基本的な考え方
 疾病の発現には,人間の心理(大脳皮質—大脳辺縁系—間脳系における神経内分泌といってもよい),自律神経系および内分泌系が相互に作用しあい,密接な関連をもって生体の代謝をcontrolしているし,自律神経自体もhormonesを分泌することが次第に明らかになってきたので,今日では神経系と内分泌系を2系に分けるのではなく,神経内分泌学neuroendocrinologyという見地から疾患を診断し,治療している。
 また,疾患の診断治療上大切な問題は,疾患発現の一次病因が何であるかをまず解析することである。すなわち,疾病の発症機序について,心理学および神経内分泌学の2方面から系統的な考察を行い,表1に示す新しい概念により疾患を把握することが肝要である。

妊娠期

11.妊婦と絶対禁忌薬剤

著者: 高杉益充

ページ範囲:P.1054 - P.1055

 妊婦に薬剤を用いる時には妊婦自身だけでなく,胎児に対する影響を十分考えなければならない。
 胎児にどの程度の影響があるかを考慮する上でまず参考となるのは「医薬品の添付文書」である。

12.妊婦の貧血

著者: 貝原学

ページ範囲:P.1056 - P.1058

 妊婦の貧血の問題点について述べると共に,貧血として最も頻度の高い鉄欠性貧血について,その診断法ならびに治療法について述べてみたいと思う。

13.妊婦の感冒

著者: 住吉好雄

ページ範囲:P.1060 - P.1063

 感冒(かぜ)とは,上気道の急性のカタル性炎症と定義され,普通の上気道感染や急性の鼻かぜを指す。症状としては,のどの痛み,くしゃみ,鼻水,涙,頭重,頭痛,時には発熱,寒気,背部痛,全身の倦怠感など,多岐にわたるが,それらはベッドレストだけで1週間以内に軽快することが多い。しかし実際にはそのような軽微な症状で1週間のベッドレストを取ることは不可能であるし,原因はほとんどがウイルスによるものと考えられ著効を示す薬は見当らない。そこで多くは対症療法としていわゆる総合感冒薬(かぜ薬)を服用することが一般的に行われている。しかし対象が妊婦となると母体の疾患を治療するに当り常に母児双方の安全性を考慮した選択が必要となる。即ち妊娠初期では薬剤の催奇形性が問題であり,妊娠中期になると胎児の発育異常や発育抑制が問題になる。また妊娠末期では移行した薬剤の新生児期における安全性などが問題となる。一般に,妊婦では移植片である胎児を拒絶しないためすべての抗原に対する免疫能が低下しているように従来考えられているが,最近の文献によるとそのようなことはなく,絨毛の栄養膜細胞層がHLAGを表面に発現し,この免疫原性のない特殊なMHCクラスⅠ分子が局所で胎児—母体間に発現されているため胎児は拒絶されないと考えられている1)。従って妊婦が特にかぜをひきやすいとか,かぜにかかったら重症になるということはないといえよう。

14.妊婦のワクチン接種

著者: 平山宗宏

ページ範囲:P.1064 - P.1066

 わが国の制度の中では,妊婦に予防接種を行うことは原則としてないし,外国とくに開発途上国では破傷風ワクチン(トキソイド)を妊婦に積極的に接種しているが,その他のワクチンは用いられていない。しかしわが国の予防接種法実施規則の禁忌項目中に妊婦があげられている理由や,妊婦に気づかずに接種した,あるいは接種直後に妊娠したというケースはありうるので,これらについての考え方を述べさせていただく。

15.妊婦のX線撮影

著者: 鈴森薫

ページ範囲:P.1067 - P.1069

 放射線は,広島,長崎への原爆投下あるいはビキニの水爆実験,近くはチェルノブイリ原子力発電所事故などをみるまでもなく,人間にさまざまな障害を与えるものとして恐れられている。その一方,X線をはじめとして放射線は医学領域で広く利用され,画像診断あるいは治療に不可欠なもので,代替の新技術が開発されない限り,人間と放射線の関わりは今後も深まりこそすれ,なくなるとは考えられない。ところで妊娠中のX線検査は避けるべきであることは知りながら,妊婦が計らずも受けた放射線の障害がどのような形で表れるか,たとえば発育中の胎児に発生異常や発育遅延を引き起こすことはないかといったような直接的な影響の有無は,当事者である妊婦はおろか,担当している産科医にとっても大変な関心事となっている。そして現実には放射線により生ずる障害のみが過大に評価されたり,また医師の告げる意見がまちまちであるために妊婦や家族の判断が惑わされることも稀ではない。

16.妊婦のATLA陽性

著者: 永田行博 ,   沖利貴

ページ範囲:P.1070 - P.1071

 成人T細胞白血病(ATL)を起こすウイルスHTLV-Ⅰの感染経路として,母児感染,夫婦間感染(夫→妻),輸血などの医原性感染が確認されているが,感染の大部分は母児感染によると思われる。そして,母児感染は,主に母乳中の感染リンパ球が児に移行することで成立すると考えられている。
 まだ,完全なHTLV-Ⅰの感染防止法は確立していないが,最近の知見をもとに,ATLA陽性妊婦の取り扱いについて述べる。

17.妊婦の黄疸

著者: 高木耕一郎 ,   中林正雄 ,   坂元正一 ,   武田佳彦

ページ範囲:P.1072 - P.1073

 妊娠中に黄疸を発症することはめずらしく,1,500妊娠に1例(0.07%)とされている。黄疸は,溶血性黄疸,閉塞性黄疸に分類され,その基礎疾患として,溶血性疾患,肝胆道系疾患に加え,妊娠に関連して発症し,多くは原因不明で母児ともに予後不良のものがある。本稿では特に後者,すなわち肝炎など妊娠時偶発合併症として黄疸をきたすもの以外の疾患につき概説する。

18.妊婦とビタミンK

著者: 樋口誠一 ,   大友公一

ページ範囲:P.1074 - P.1076

 生体内ビタミンK(VK)は,フィロキノン(PK,K1)とメナキノン(MK,K2)に大別される。さらにMKは,イソプレニル基の数によりK2同族体(MK-n)として分類され,MK−1〜MK−14が知られている。VKの作用機序は他書1)にゆずるが,K2はK1に比べて速効性があり,その生物学的活性も1.5倍高いとされる。
 ここでは妊婦とVKについて,妊婦自身の妊娠・分娩を通じての異常出血の予防や新生児・乳児の出血症の予防という観点から,VKの補給路として,VK製剤のみならず食事の重要性も含めて記述することにする。

19.妊婦の体重変動と予後

著者: 吉田孝雄 ,   本田利江

ページ範囲:P.1078 - P.1080

 妊娠時の至適体重変動は順調な妊娠経過と健全な分娩を経るための基本をなすものであり,周産期における母児管理上重要であることは言うまでもないことである。しかし,今日のわが国の社会生活環境は,過食,美食,省力化に象徴されるように,肥満の温床であり,肥満人口の増大は健康,管理上社会問題化していることは周知のことである。
 また,その反面,若年者にみられるように,単なる美的容姿への憧れのための極端な減食によるやせも目立ちはじめてきており,新たな問題が生じている。

20.マタニティブルー

著者: 池本桂子 ,   高橋三郎

ページ範囲:P.1082 - P.1083

 出産は女性のライフサイクル中の一大イベントである。待望の子供が生まれると女性は喜びと充実感に満たされる。しかし,一方では身体的に疲労し,今後の育児,家庭のこと,職業を持つ女性であれば,産休,職場への復帰……と多くの心理社会的,精神的問題をかかえていることも現実である。産後3〜7日頃,多くの褥婦が涙もろさ,抑うつを示すことが知られている。この一過性の軽うつ状態は,Hamilton(1962)によって指摘され,Post-partum Blues Syndrome(Yalom I.1968),Maternity Blues(Pitt B.1973)と名付けられた。blueは,複数形のbluesに定冠詞を付けると「憂うつ」,「ふさぎ込み」を意味する。De-pression(うつ病,抑うつ)ではなく,bluesと呼ばれたのは,本格的なうつ病とは異なることを示唆している。

21.妊娠と尿路疾患

著者: 河村信夫

ページ範囲:P.1084 - P.1085

 妊娠のために起る尿路疾患と,尿路に疾患のある人が妊娠する場合とを考えねばならない。
 一番問題になるのは腎不全の人の妊娠であろうが,幸いなことにクレアチニン値の高い人は妊娠しにくい。軽度の慢性腎炎などは経過をみていれば多くの場合妊娠中毒におちいることなく分娩できる。

22.妊婦の皮膚疾患

著者: 石川英一

ページ範囲:P.1086 - P.1088

 妊娠によって内分泌系にさまざまな変化が起こるとともに自律神経系の過敏が生じ,そのために母体にはいろいろの新陳代謝異常や,免疫抑制因子の出現などが認められる。また,胎児は母体にとって異物として作用するため胎児から逆に母体が影響をうけることも考えられる。
 妊娠時に通常みられる皮膚の生理的変化としては,色素沈着(生理的色素沈着部位特に乳輪,外陰部などの色素増強。時に顔面の肝斑様色素沈着),多毛,軟性線維腫,妊娠線,血管拡張(手掌紅斑,くも状血管腫,顔面の毛細血管拡張,静脈怒張など),線状皮膚萎縮,浮腫などがあることはよく知られている。これらの皮膚変化のうち線状皮膚萎縮は分娩後も残るが他のものは治療をしなくても分娩後軽快する。このほかに,明らかに妊娠の影響が関係していると考えられる疾患,妊娠に随伴しやすい疾患がいくつかあり,治療を必要とするので以下に述べる。

更年期,老年期

23.自律神経失調症

著者: 鈴木智 ,   中野弘一

ページ範囲:P.1090 - P.1091

 自律神経失調症は器質的疾患はなく訴えの強い患者の暫定的診断名として用いられており,マネージメントの1通過点という意味を持っている。本稿では自律神経失調症の概念をふまえ,治療のポイントを中心に概説する。

24.初老期および老年期のうつ病

著者: 柄澤昭秀

ページ範囲:P.1092 - P.1093

臨床的特徴
 基本症状
 年齢には関係なくうつ病には次の4つの基本的症状が認められる。①持続する気分の落ち込み,②興味,関心の減退,③悲観的な思考内容,④食欲・睡眠の変化(ふつうは食欲不振と不眠であるが,稀に食欲亢進や過眠もある)。これらは程度の差こそあれ,ほぼ必発の症状といえる。

25.更年期,老年期の性交障害と治療のポイント

著者: 梶博久

ページ範囲:P.1094 - P.1095

誤った性概念
 人々が本当に幸わせな生活を営むためには,完全な性生活は欠くことのできない必須条件だと思われる。ところが性は故なき蔑視感のため,低次元のものとして疎外され続けて今日に至った。
 特に老婦人の性については,あたかも破戒行為の如く見做され,現代の性革命にも,老婦人はセックスを楽しむ人達の仲間には加えてもらえなかった。それは年をとった女性はもはや,セクシュアルであってはならないという考え方が幾世紀もの間,人類の文化の中に定着してきたからである。

26.尿失禁

著者: 中沢直子 ,   桑原慶紀 ,   水野正彦

ページ範囲:P.1096 - P.1097

 人口の高齢化に伴い,尿失禁が医療上の重要課題の一つとなってきていることは言うまでもないが,まだ社会的に活躍している年代も含めた成人女性のおよそ3人に1人が失禁の経験者とされていること,さらに女性の尿失禁には分娩および婦人科手術がその要因として関与していることから,専門家のみでなくわれわれ産婦人科臨床医もこの問題に広く関心を持つべき時期にきていると考える。
 治療に関しては正しい診断が必要であり,まず詳細な問診が第一だが,60分間尿失禁定量テスト(Pad test),尿流動態検査,膀胱尿道造影などによりさらに正確な診断が可能となる。表1に分類した中で産婦人科と関連が深いのは腹圧性,切迫性,溢流性尿失禁であり,前二者が9割以上,ことに腹圧性のみで70%を占める。

27.骨粗鬆症

著者: 揖場和子 ,   森井浩世

ページ範囲:P.1098 - P.1100

 平均寿命の延長とともに骨粗鬆症は腰痛,骨折によりQuality of Lifeを低下させ,ときには寝たきりにさせ,さらに痴呆を誘発すると恐れられ,その予防と治療に迫られている。最近の治療の話題についてのべる。

カラーグラフ 産婦人科領域におけるレーザー療法・3

子宮頸部腫瘍に対するレーザー療法後の子宮腟部の再生

著者: 蔵本博行 ,   脇田邦夫 ,   泉貴文

ページ範囲:P.1018 - P.1019

 これまで子宮頸部の早期癌や異形成に対するレーザー療法について述べたが,その治療効果ばかりでなく極めて滑らかな子宮腟部の再生が得られるのが本法の特徴である.そのため,治療後年月を経た患者では,治療を行ったことすらも局所から判別できないことも少なくない.そこで,今回は腟部再生の典型例を紹介したい.
 一般にレーザー療法は,高反応レベルレーザー療法(HLLT)と低反応レベルレーザー治療(LLLT)に大別される.頸部腫瘍に対する療法は,細胞を破壊してドーム状の組織欠損を作らせることから,HLLTに属するものといえる.しかし,レーザー光による,照射周辺部に対する細胞活性の賦活作用,すなわちLLLT様作用も否定し切れない.このような作用の存在は,①疼痛の緩和(大きな損傷となるにもかかわらず,治療直後から解消し,鎮痛処置は全く必要としない.),②素早い治癒経過(損傷部は個人差なく,ほとんど画一的に4週強で治る.),③自然に近い腟部の再生(治療の見分けがつきにくいこともしばしばである.),さらにその後の④妊娠・分娩機能にほとんど無害であることなどから判断される.

メルボルン便り

マタニティブルーをケアする—パンダイクラブとメルボルン大学母子ユニット

著者: 堀口文

ページ範囲:P.1102 - P.1103

 オーストラリアでは国を象徴する動物としてコアラがよく利用されますが,コアラにちょっと似た趣きのある中国のパンダもメルボルンの地域医療の代名詞のように役立っています。
 Post and Ante Natal Depression Association Inc(PANDAI)は産後のうつ病の予防から早期発見早期治療までを目標に活動する一般婦人の相互援助組織です。本日はこのPANDAIクラブの活動をご紹介したいと思います。

原著

産婦人科領域における不規則性抗体検査の有用性

著者: 崔華 ,   久保田武美 ,   竹内久彌 ,   川島徹 ,   石和久

ページ範囲:P.1105 - P.1108

 1987〜1989年の3年間に順天堂浦安病院を訪れた妊婦および婦人科手術患者計3,424例に対してABO式,Rho(D)式血液型検査と同時に不規則性抗体スクリーニング検査を施行した。不規則性抗体陽性率は妊婦1.4%(36/2,510),婦人科手術患者2.0%(18/914)であり,抗体獲得の原因としては妊娠歴,分娩・流産歴,輸血歴が考えられた。不規則性抗体同定例48例の内訳は抗Lea21例,抗P111例,抗Leb7例,抗E,抗Dia各2例,抗D,抗Fyb,抗M,抗Bga,抗Jra各1例であった。事前に抗体スクリーニング検査を施行し,抗体同定した後,適合血供血者のリストを準備していたため順調に輸血でき,救命し得た妊婦大量出血例(前置胎盤兼癒着胎盤)を経験した。また母体より抗Lea,抗P1,抗Jra,抗Dia,抗Dの各抗体が検出された5例において新生児黄疸が認められた。そのうち交換輸血を要した重症例は抗D抗体検出例のみであった。

産婦人科反復骨盤内手術の頻度とその問題点の臨床的検討

著者: 中山佳代子 ,   滝沢憲 ,   安達知子 ,   井口登美子 ,   武田佳彦

ページ範囲:P.1109 - P.1112

 最近5年間の手術症例2,290例中,産婦人科手術既往歴を有する182例8.0%について臨床的に検討した。
 先行手術術式は,腹式帝王切開術(C/S),子宮外妊娠など妊娠関連が40%,付属器腫瘍手術30%,筋腫核出術16.4%,子宮摘出術13.7%であった。C/S 2回,筋腫核出術,付属器切除術などの先行手術は,今回腹式単純子宮全摘術(ATH)の出血量と手術時間を有意に増加させた。
 私達の検討によれば,子宮筋腫の再発は21%と推定され,子宮保存手術の適応は慎重に考慮すべきと思われた。付属器腫瘍手術後および子宮摘出術後の卵巣腫瘍の発生率は,1年間あたり0.23%と推定されたので,閉経前の機能している卵巣を予防的に摘出する必要はないと思われた。

薬の臨床

金コロイド法を利用した新しい高感度妊娠診断補助薬Gチェック25の基礎的,臨床的検討

著者: 斎藤誠一郎 ,   横山裕司 ,   井川洋 ,   松崎利也 ,   植田敏弘 ,   安井敏之 ,   三宅敏一 ,   苛原稔 ,   青野敏博

ページ範囲:P.1113 - P.1118

 hCGに特異的なモノクローナル抗体を用いる金コロイド法による低単位尿中hCG検出試薬Gチェック25について基礎的,臨床的検討を加えたので報告する。基礎的検討では,Gチェック25の感度は10IU/lであり,hLH,hFSH共に5,000IU/lでも交差反応を認めなかった。アルブミン,glucose,ラット肝細胞,赤血球の添加,pH,比重の変動がGチェック25の感度に与える影響について検討すると,概ね安定した結果を示し臨床使用上全く問題はないと思われた。臨床的検討では,Gチェック25は4週1日以降の正常妊娠例では総て陽性を示し,妊娠早期の診断に極めて有用であると考えられた。異常妊娠例でも,既存の尿中hCG定量試薬の測定結果と高い相関性を示した。
 以上の基礎的,および臨床的検討から,Gチェック25は妊娠診断補助試薬として感度,特異性,操作性共に優れ有用性が高いと考えられた。

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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75巻4号(2021年4月発行)

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

75巻3号(2021年4月発行)

今月の臨床 女性のライフステージごとのホルモン療法―この1冊ですべてを網羅する

75巻2号(2021年3月発行)

今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?

75巻1号(2021年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ

74巻12号(2020年12月発行)

今月の臨床 着床環境の改善はどこまで可能か?―エキスパートに聞く最新研究と具体的対処法

74巻11号(2020年11月発行)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

74巻10号(2020年10月発行)

今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで

74巻9号(2020年9月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

74巻8号(2020年8月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?

74巻7号(2020年7月発行)

今月の臨床 若年女性診療の「こんなとき」どうする?―多彩でデリケートな健康課題への処方箋

74巻6号(2020年6月発行)

今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ

74巻5号(2020年5月発行)

今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル

74巻3号(2020年4月発行)

今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する

74巻2号(2020年3月発行)

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

74巻1号(2020年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス

73巻12号(2019年12月発行)

今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤

73巻11号(2019年11月発行)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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