文献詳細
今月の臨床 子宮内膜症
病因と病態
文献概要
子宮内膜症は,独立した疾患単位として認められているものの,稀なものと考えられていたために,あまり注目されてこなかった。しかし,近年,その原因と発生機序,頻度の著増,不妊症との関連,新しい診断法および治療薬の導入や,本症が主にヒトに発生する疾患等々の面で,不可解な点が多く,謎の疾患(enigmatic disease)といわれ,現在,最もhotな婦人科疾患となっている。
子宮内膜症の発生頻度については,近年増加傾向にあることが認識されてきている。表1に国内外の開腹手術によって確認された子宮内膜症の頻度を報告年度別に示した。1930,40年代では0.8〜9.0%で,1950年代には0.1〜12.8%で,1960年代には2.5〜27.8%で,1970年代には0.2〜39.8%で,1980年代には13.9〜24.0%になっている。報告者によって,対象とした母集団の患者構成が一定しないために,単純には比較できないが,全体として1960年代には10%未満,1970年代には10%台,1980年代には20%台と,年代を追うごとに発生頻度の増加傾向が認められる。
子宮内膜症の発生頻度については,近年増加傾向にあることが認識されてきている。表1に国内外の開腹手術によって確認された子宮内膜症の頻度を報告年度別に示した。1930,40年代では0.8〜9.0%で,1950年代には0.1〜12.8%で,1960年代には2.5〜27.8%で,1970年代には0.2〜39.8%で,1980年代には13.9〜24.0%になっている。報告者によって,対象とした母集団の患者構成が一定しないために,単純には比較できないが,全体として1960年代には10%未満,1970年代には10%台,1980年代には20%台と,年代を追うごとに発生頻度の増加傾向が認められる。
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