icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻1号

1992年01月発行

文献概要

今月の臨床 子宮内膜症 治療と予後管理

29.根治療法

著者: 蜷川映己1

所属機関: 1名古屋逓信病院

ページ範囲:P.84 - P.85

文献購入ページに移動
 子宮内膜症のうち,不妊症を伴うか挙児を希望するものにたいしては,保存的療法が選択される。薬物療法の進歩,保存的手術法のうちレーザー,アルコール固定法などの新しい展開,IVF—ETをはじめとする不妊症の別ルートによる治療などによって,子宮内膜症を伴う不妊症の,不妊に対する治癒成績は向上しつつある。また妊娠の成立は,子宮内膜症の病状にも,好結果をもたらすので,妊娠分娩を契機として,ほとんど完治の状態にいたる症例をも経験する。
 この意味で行くと,根治療法には,保存的療法の組合せで結果的にこれが期待されるものと,始めからラジカルに手術療法を行うものとがあることになる。表1に当院での治療法の選択基準を示したが,挙児希望,ホルモン依存度,チョコレート嚢腫の有無,子宮筋腫の合併などが治療法選択の分岐点になる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?