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原著
妊娠合併子宮頸部病変におけるHPV感染の分子生物学的検討
著者: 太田さなえ1 永井宣隆1 谷本博利1 藤本英夫1 大浜紘三1
所属機関: 1広島大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.108 - P.113
文献購入ページに移動その結果,10例中9例(16型5例,18型4例)にHPV DNAが検出され,組織型別では,高度異形成の4例中3例に16型が,1例に18型が,上皮内癌4例のうち2例に16型,1例に18型が,浸潤癌2例に18型がそれぞれ検出された。治療はレーザー療法,手術療法を施行し,10例中9例は再発なく経過しているが1例は急速な発育を示し17ヵ月後死亡した。
妊婦に合併した子宮頸部病変の中にはHPV陽性で病変の急速な進行を認める症例もあり,今後妊婦に対するHPV感染検索を含めた子宮頸部病変のスクリーニングの重要性が示唆された。
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