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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻10号

1992年10月発行

文献概要

今月の臨床 抗癌剤 効果増強法

15.温熱療法

著者: 河野一郎1

所属機関: 1川崎医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1206 - P.1208

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 抗癌剤に温熱を併用することによって抗腫瘍効果が増強されることは培養細胞や動物を用いた多くの基礎生物学的研究によって明らかにされている1)。温熱療法(Hyperthermia)はそれ自体でも抗腫瘍効果が認められるが,抗癌剤と併用する温熱化学療法(Thermochemotherapy)では単に両者の相加効果のみでなくしばしば相乗効果もみられることがある2)。さらに併用効果に加えて抗癌剤の耐性の克服,副作用の軽減など併用によるその他のメリットも報告されている。これらの基礎的な事実に基づいて次第に温熱化学療法の臨床応用が行われるようになってきたが,抗癌剤の選択,温度計測,加温方法などについて試行中の点も少なくはなく,これからの治療法として大きな期待がかけられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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