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今月の臨床 抗癌剤 疾患別治療指針
27.侵入奇胎,絨毛癌
著者: 前田真1
所属機関: 1浜松医科大学産婦人科
ページ範囲:P.1241 - P.1243
文献購入ページに移動 絨毛性疾患のなかで抗癌剤による化学療法の対象となるものは,一部の転移性奇胎と,続発症と呼ばれる侵入胞状奇胎ならびに絨毛癌である。またそれらは,きわめてまれな奇形腫性絨毛癌を除けばすべて妊娠に起因するものであり,他の固形腫瘍と異なり血行性に富み早期に広範囲に転移をきたす腫瘍である反面,従来から抗癌剤がよく奏効する代表的な疾患の一つとしてあげられている。
基本的には,侵入胞状奇胎はあくまで胞状奇胎の一種であり異常妊娠の一つと考えられるが,一方絨毛癌は悪性腫瘍であることから,それぞれの治療方針は明らかに異なる。すなわち,侵入胞状奇胎では自然治癒例の報告もありその予後は良好であるのに対し,絨毛癌の予後は向上してはいるものの,いまだ悲惨な結果に終わるものもあり,適切な診断によりこの2者を明確に分けて治療方針を立てるべきであろう。図1にその診断フローチャートを示す1)。
基本的には,侵入胞状奇胎はあくまで胞状奇胎の一種であり異常妊娠の一つと考えられるが,一方絨毛癌は悪性腫瘍であることから,それぞれの治療方針は明らかに異なる。すなわち,侵入胞状奇胎では自然治癒例の報告もありその予後は良好であるのに対し,絨毛癌の予後は向上してはいるものの,いまだ悲惨な結果に終わるものもあり,適切な診断によりこの2者を明確に分けて治療方針を立てるべきであろう。図1にその診断フローチャートを示す1)。
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