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今月の臨床 抗癌剤 疾患別治療指針
28.二次的化学療法の選択
著者: 岩坂剛1
所属機関: 1佐賀医科大学産婦人科
ページ範囲:P.1244 - P.1246
文献購入ページに移動 同一臓器に発生した同一組織型の癌であっても,個々の癌において,同一の化学療法に対する感受性が異なるという事実は臨床の場ではしばしば経験される。また当初有効であった化学療法が途中で無効となったり,再発癌には効果がなかったりということもめずらしくない。この観点からすると,癌化学療法は個々の癌に対して個別化して行われるのが理想である。これを実践する方法として抗癌剤感受性試験があるが,手技の簡便さ,腫瘍細胞特異性,定量性,客観性などいまだ問題点が多く,一般化するには時間を要する。そこで現在のところ,ほとんどの癌において,最大公約数的有効薬剤を組み合わせた併用化学療法が行われている。また,この初回化学療法にあたっては,有効薬剤を動員し,全力を傾けて治療を行うのが一般的で,再発した場合を予測して有効な治療法を温存するというようなことは通常行われない。
以上の実情から,二次的化学療法(second linechemotherapy)の選択はかなり限られたものにならざるを得ない。中でも子宮頸癌および子宮体癌においては,いまだ初回治療に有効な化学療法の確立が先決問題であり,二次的化学療法うんぬんの段階ではない。一方,化学療法が治療の主体をなす絨毛癌では逆に治療法がほぼ確立されているといってよい。そこで,本稿では多彩な対応を迫られる卵巣癌を中心に,その二次的化学療法の現状について述べることにする。
以上の実情から,二次的化学療法(second linechemotherapy)の選択はかなり限られたものにならざるを得ない。中でも子宮頸癌および子宮体癌においては,いまだ初回治療に有効な化学療法の確立が先決問題であり,二次的化学療法うんぬんの段階ではない。一方,化学療法が治療の主体をなす絨毛癌では逆に治療法がほぼ確立されているといってよい。そこで,本稿では多彩な対応を迫られる卵巣癌を中心に,その二次的化学療法の現状について述べることにする。
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