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原著
ヒト胎盤絨毛組織の血小板凝集阻止活性—臍帯静脈血管の血小板凝集阻止活性との比較
著者: 飯岡秀晃1 赤田忍1 島本太香子1 山田嘉彦1 森山郁子1 一條元彦1
所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科
ページ範囲:P.1261 - P.1265
文献購入ページに移動① ヒト胎盤絨毛組織培養上清中にはADP(adenosine diphosphate)惹起血小板凝集阻止活性が存在した。一方,臍帯静脈血管培養上清中に出現する血小板凝集阻止活性はADPのみならずアラキドン酸とコラーゲン惹起血小板凝集に対しても認めた。
②胎盤絨毛組織培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性は,多血小板血漿とのpreincubation時間により変化を認めなかった。一方,臍帯静脈血管培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性は,多血小板血漿とのpreincubation時間とともに増強した。
③ 胎盤絨毛組織培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性はきわめて熱安定性が高かった。一方,臍帯静脈血管培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性はきわめて熱安定性が低かった。
④ 胎盤絨毛組織培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性は,胎盤絨毛組織のアスピリン処理によっても影響を受けなかった。一方,臍帯静脈血管培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性は,臍帯静脈血管のアスピリン処理により著明に減弱した。
⑤ 胎盤絨毛組織培養上清中に出現するADP分解活性は,臍帯静脈血管培養上清中に出現するADP分解活性に比し,顕著に高かった。
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