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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻10号

1992年10月発行

文献概要

原著

ヒト胎盤絨毛組織の血小板凝集阻止活性—臍帯静脈血管の血小板凝集阻止活性との比較

著者: 飯岡秀晃1 赤田忍1 島本太香子1 山田嘉彦1 森山郁子1 一條元彦1

所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1261 - P.1265

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 ヒト胎盤絨毛組織培養上清中に出現する血小板凝集阻止活性を臍帯静脈血管培養上清中に出現する血小板凝集阻止活性と比較検討し以下の成績を得た。
 ① ヒト胎盤絨毛組織培養上清中にはADP(adenosine diphosphate)惹起血小板凝集阻止活性が存在した。一方,臍帯静脈血管培養上清中に出現する血小板凝集阻止活性はADPのみならずアラキドン酸とコラーゲン惹起血小板凝集に対しても認めた。
 ②胎盤絨毛組織培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性は,多血小板血漿とのpreincubation時間により変化を認めなかった。一方,臍帯静脈血管培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性は,多血小板血漿とのpreincubation時間とともに増強した。
 ③ 胎盤絨毛組織培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性はきわめて熱安定性が高かった。一方,臍帯静脈血管培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性はきわめて熱安定性が低かった。
 ④ 胎盤絨毛組織培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性は,胎盤絨毛組織のアスピリン処理によっても影響を受けなかった。一方,臍帯静脈血管培養上清中に出現するADP惹起血小板凝集阻止活性は,臍帯静脈血管のアスピリン処理により著明に減弱した。
 ⑤ 胎盤絨毛組織培養上清中に出現するADP分解活性は,臍帯静脈血管培養上清中に出現するADP分解活性に比し,顕著に高かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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