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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻11号

1992年11月発行

文献概要

症例

卵管留水症茎捻転の3例

著者: 長坂久司1 池上淳2 長坂正仁2 深田幸仁1 中沢忠明2 安水洸彦1 加藤順三1

所属機関: 1山梨医科大学産婦人科 2加納岩総合病院産婦人科

ページ範囲:P.1395 - P.1398

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 卵管留水症茎捻転はまれな疾患であるが,若い生殖年齢の女性の下腹痛の原因として重要である。最近われわれは卵管留水症の茎捻転を3例経験した。全例下腹痛を主訴として来院しているが,全身状態は良好であった。検査では微熱が2例あり,白血球も軽度上昇していた。超音波断層法では,3例全例に付属器領域に直径数cmの管状または円形の嚢胞性腫瘤を認めた。2例は卵巣嚢腫茎捻転の診断で,1例は卵管留水症茎捻転の診断にて開腹した。卵管の捻転は,左側時計回り,右側時計回り,左側反時計回りであり,Küstnerの法則に従ったものは1例のみであった。2例は卵管のみの捻転であり,卵巣を伴ってはいなかった。開腹時には,全例とも卵管は梗塞しており,保存的治療は不可能であった。本症は早期であれば保存的治療が可能であるとされており,発症後の迅速なる対応が望まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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