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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻12号

1992年12月発行

コラム 常用併用療法—私の処方

桂枝茯苓丸—ビタミンD3製剤

著者: 太田博明1 隅田能雄1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1437 - P.1437

文献概要

 骨粗鬆症には明らかな性差があり,その罹患者の大部分が女性で,しかも閉経後に多発し,その成因の一つにestradiol(E2)の低下が関与していることはよく知られている。また,E2の低下の中でも,突然の低下である卵巣全摘出(卵摘)は,閉経以上に骨の粗鬆化を促進するといわれている。欧米においてはこのような症例に対しエストロゲン補充療法が主流となっているが,本邦においてはいまだ十分には普及されていないのが現状であり,現段階では活性型ビタミンD3製剤等が主に使われている。
 また閉経後や卵摘後に骨密度減少を呈する患者には,しばしばその随伴症状として,卵巣欠落や卵巣機能低下に伴う多彩な諸症状,いわゆる不定愁訴がある。骨密度の減少を阻止するためには,薬物療法とともに日常生活においては十分なCa摂取を心がけるなど,食事や運動などに対する配慮も必要不可欠であることから,不定愁訴による心身の不調は,Caの摂取不足やCaの腸管吸収不全,運動不足などをきたす可能性も十分に考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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