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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻12号

1992年12月発行

コラム 常用併用療法—私の処方

半夏瀉心湯—鉄剤

著者: 早川智1 佐藤和雄1

所属機関: 1日本大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.1450 - P.1450

文献概要

 産科婦人科領域において遭遇する貧血の大部分は鉄欠乏性貧血であり,その治療には経口鉄剤の投与が行われるが,悪心・嘔吐や胃痛,食欲不振などの消化器症状を副作用として見ることが多い。そのために胃粘膜保護剤やときには制酸剤さらにはH2ブロッカーの併用が行われるが,これによる鉄の吸収阻害やまた妊婦では胎児に対する影響などの問題がある。筆者らは鉄剤単独あるいは消化酵素剤のみを投与し,消化器症状を訴えた産婦人科患者14例においてその多くが心窩部の圧痛,すなわち漢方で言うところの心窩硬痞を認めたため,半夏瀉心湯エキス製剤を投与し,その効果を検討した。1〜2週の投与により11例において症状の消失もしくは改善を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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