文献詳細
文献概要
原著
ヒト肝細胞増殖因子(hHGF)の周産期における動態—羊膜の役割
著者: 飯岡秀晃1 赤田忍1 島本太香子1 山川嘉彦1 阪本義晴1 森山郁子1 一條元彦1
所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科
ページ範囲:P.1503 - P.1505
文献購入ページに移動①妊娠婦人血清中のhHGF濃度は,非妊娠婦人と差異を認めず,また,妊娠経過とともに著明な変動は示さなかった。また,臍帯血清中の濃度は,正期産新生児では,成人よりやや低値を示した。②羊水中には,高濃度のhHGFの存在を認めた。羊水中のhHGFの濃度は血清中の濃度の約30倍の値を示した。③ヒト羊膜組織を用いた組織培養による検討により,羊膜組織には,hHGFの産生能を認めることが示された。
以上より,妊娠時には,血清中のhHGF濃度は変化しないことが示され,一方,羊水中には高濃度のhHGFが存在し,羊膜が,この羊水中に存在するhHGFの産生に関与していることが示された。
掲載誌情報