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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻12号

1992年12月発行

文献概要

原著

ヒト肝細胞増殖因子(hHGF)の周産期における動態—羊膜の役割

著者: 飯岡秀晃1 赤田忍1 島本太香子1 山川嘉彦1 阪本義晴1 森山郁子1 一條元彦1

所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1503 - P.1505

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 ヒト肝細胞増殖因子(hHGF)の周産期における動態について,羊膜の果たす役割を含めて検討した。hHGFの検討には酵素標識免疫測定法(ELISA)を用いた。
 ①妊娠婦人血清中のhHGF濃度は,非妊娠婦人と差異を認めず,また,妊娠経過とともに著明な変動は示さなかった。また,臍帯血清中の濃度は,正期産新生児では,成人よりやや低値を示した。②羊水中には,高濃度のhHGFの存在を認めた。羊水中のhHGFの濃度は血清中の濃度の約30倍の値を示した。③ヒト羊膜組織を用いた組織培養による検討により,羊膜組織には,hHGFの産生能を認めることが示された。
 以上より,妊娠時には,血清中のhHGF濃度は変化しないことが示され,一方,羊水中には高濃度のhHGFが存在し,羊膜が,この羊水中に存在するhHGFの産生に関与していることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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