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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻2号

1992年02月発行

今月の臨床 妊娠と免疫

免疫とは

2.細胞性免疫

著者: 森庸厚1

所属機関: 1東京大学付属医科学研究所免疫部門

ページ範囲:P.142 - P.144

文献概要

プロローグ
 細胞性免疫に関する体系だった概念はバーネットによって提唱された極めて生物学的な深い洞察にもとづくクローン選択説1)によって確立されたといえよう。その後,遺伝子工学的方法を導入して,B細胞における抗体遺伝子はそのクローニングと発生・分化を経る過程で再構成を受けることによって抗体の多様性が生じることが明らかにされてきた。またT細胞における抗原受容体(TcR)遺伝子も抗体遺伝子と類似の機構でその発現過程を経ることなども近年急速に解明されてきた。さらに主要組織適合抗原(MHC)やアクセサリー分子の遺伝子,分子構造が次々とわかってきた。そして本来の免疫機能である個体における非自己・自己認識を遂行する上でのIg superfamilyと称される一群のおそらくは遺伝子重複(geneduplication)によって生み出された遺伝子群とそれらのコードする免疫担当細胞上に発現された分子群間の相互作用およびこれを円滑に遂行するための局所ホルモンともいえるモノカイン・リンホカインによって免疫応答が進行することなどが次々とわかってきた。本稿では細胞性免疫の中心を担うT細胞について出来るだけup to dateな話題に絞ってまとめ,最後にこのT細胞の活性化機構の起源が卵子に存在しているという驚くべき事実を紹介しておこう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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