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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻2号

1992年02月発行

症例

分娩前に造影MRIを用いて出生前診断を得たPotter症候群の1例

著者: 髙野始1 前川岩夫1 井関紀一1 藤本肇2 村上康二2 市川智章2 野坂謙二3

所属機関: 1沼津市立病院産婦人科 2沼津市立病院放射線科 3沼津市立病院中央検査部病理検査室

ページ範囲:P.245 - P.248

文献概要

 Potter症候群は,両側の腎無形成・特徴的な顔貌・肺の低形成を伴う致死的な胎児奇形である。今回我々は,超音波断層法・MRIにて出生前診断を得た1例を経験した。
 超音波断層法では腎・膀胱の存在が判明しないため本人・家族の了解を得てMRIを施行したが腎臓と考えられる像は認められず,腎の無形分を強く疑った。MRI造影剤を用いてみても造影される部分がなかった。腎無形成と下肢の奇形を考え,Potter症候群と診断した。児の外表には多発奇形があり,病理解剖所見では,両側腎臓とも無形成で両側尿管無形成・膀胱無成分であった。MRIおよびその造影剤の胎児への影響は不明であるが今後補助診断法として産科領域での応用が増加するものと期待される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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