文献詳細
症例
分娩前に造影MRIを用いて出生前診断を得たPotter症候群の1例
著者: 髙野始1 前川岩夫1 井関紀一1 藤本肇2 村上康二2 市川智章2 野坂謙二3
所属機関: 1沼津市立病院産婦人科 2沼津市立病院放射線科 3沼津市立病院中央検査部病理検査室
ページ範囲:P.245 - P.248
文献概要
超音波断層法では腎・膀胱の存在が判明しないため本人・家族の了解を得てMRIを施行したが腎臓と考えられる像は認められず,腎の無形分を強く疑った。MRI造影剤を用いてみても造影される部分がなかった。腎無形成と下肢の奇形を考え,Potter症候群と診断した。児の外表には多発奇形があり,病理解剖所見では,両側腎臓とも無形成で両側尿管無形成・膀胱無成分であった。MRIおよびその造影剤の胎児への影響は不明であるが今後補助診断法として産科領域での応用が増加するものと期待される。
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