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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻3号

1992年03月発行

カラーグラフ 胎盤の生理と病理・3

羊膜索症候群

著者: 中山雅弘1

所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター病理室

ページ範囲:P.261 - P.263

文献概要

 羊膜索症候群(amniotic band syndrome)とは,胎盤の羊膜が機械的裂傷その他により1—数個の強靱な紐(索状物)となり,胎児の頭部・顔面・体幹・四肢などに絡み付き胎児に奇形を起こすものである.妊娠の初期の羊膜の裂傷,羊水の漏出がその発生と大きく関係しているようである.妊娠の中期や後期では胎盤に羊膜結節やPotter症候群(次回の予定)を起こすのであるが,この時期には羊膜索症候群の発生は殆ど無いように思われる.即ち,妊娠初期の料膜は恐らく裂傷・離断の過程で線維芽細胞等の活性化が起こるのであろうと推測している.胎児の傷害はその週数と索状物の多さに関係すると思われる.とくに早い週数のものは無脳症や頭部と胎盤の癒着が見られる.臍帯ヘルニアや側彎(Scoliosis)を起こす例もある1)
 羊膜索症候群は奇形を発生させるが,上記のごとく遺伝性のものとは考えられない.当科でも約1500分娩に1例の割合で発生が見られるが,繰返した例はなかった.羊水穿刺の後で発生した例が文献的に記載されている2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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