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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻3号

1992年03月発行

文献概要

今月の臨床 胎児治療—どこまで可能か 内科的治療—胎盤通過性と薬効

5.ステロイド

著者: 高橋稔1 本多洋1

所属機関: 1三井記念病院産婦人科

ページ範囲:P.275 - P.277

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 胎児を内科的に治療する場合には,一般に薬剤投与が母体を介して行われるため,母体に投与された薬剤は,胎盤を通過して,胎児の体内で薬効が発揮される必要がある。従って,治療薬の選択に関しては,母体に投与された薬剤が胎盤を通過しかつ胎盤での代謝により不活化されにくいことが重要である。
 胎児の内科的治療における重要な薬剤の一つに,ステロイドがある。治療薬として用いられるステロイドは主としてGlucocorticoidである。そのうち,cortisolはfreeのものしか胎盤を通過できず,transcortinとの結合力が強いため,胎児側での薬効は減少してしまう。代謝を受けて不活型のCortisoneになる速度も早い。Cortisolは,長期間の使用で初めてfreeものが母体側と胎児側とで等価になりうる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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