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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻3号

1992年03月発行

原著

妊婦血清HDL・LDL分画の血小板凝集に与える影響

著者: 飯岡秀晃1 赤田忍1 島本太香子1 久永浩靖1 山田嘉彦1 森山郁子1 一條元彦1

所属機関: 1奈良県立医学大学産婦人科

ページ範囲:P.367 - P.369

文献概要

 妊娠中に,脂質が血小板凝集に与える影響について知る目的で,妊婦血清より分離したHDLならびにLDL分画が血1小板凝集に与える影響につき検討した。
1)妊娠末期妊婦血清より分離したHDL分画には血小板凝集阻止活性が存在することが判明した。
2)妊娠末期妊婦血清より分離したLDL分画は血小板凝集を増強することが存在することが判明した。
3)妊娠経過に伴って,血中コレステロール値は増加するが,LDL分画のほうがHDL分画の増加を上まわっていた。
4)重症妊娠中毒症では,さらに血中のLDLコレステロール分画の増加が顕著であり,一方,血中のHDLコレステロール分画は低下していた。
 以上の成績より,妊娠経過とともに血小板凝集が増強されやすい傾向が高くなることが示された。また,重症妊娠中毒症では,血小板凝集が正常妊婦に比しさらに増強されやすい状況下にあることも示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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