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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻4号

1992年04月発行

今月の臨床 不妊治療の進歩

内膜因子,他

14.胚—子宮内膜の同調性は必要か

著者: 久保春海1

所属機関: 1東邦大学医学部第一産婦人科学教室

ページ範囲:P.433 - P.435

文献概要

 着床期における胚と子宮内膜のうちで,着床機転の開始にリーダーシップを演じるのは胚なのか子宮内膜なのか,それとも両者共同によるのか未だ不明な点が多い。しかし,着床開始のためには胚,子宮内膜がともに成熟していることが必要である。すなわち,胚は胞胚期にいたり。子宮内膜は胚受容能(reccptivity)を獲得していなければならない。少なくとも,この観点からすれば胚—子宮内膜には相関した同調性を保持する必要があるように思われる。残念ながら,ヒトの着床開始期における動態は未だブラックボックスの中であり,詳細に関しては不明な点が多い。このギャップをうめるために,われわれはマウス体外受精(IVF)胚の同一個体移植実験による同調性必要性の検討およびin vitroにおける各期子宮内膜上への胚の着床実験による着床開始時期の検討,人為的に着床を遅延させた胚の着床開始のトリガーと胚発生能を検討した。これらの基礎実験の結果と,われわれのヒトIVF-ETによる臨床データからET後の着床開始時間をhCGレベルから類推して,胚—子宮内膜同調による着床適期の存在について考察を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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