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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻4号

1992年04月発行

文献概要

今月の臨床 不妊治療の進歩 体外受精と関連手技

19.体外受精・胚移植における凍結受精卵の応用

著者: 小田高久1

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院産婦人科

ページ範囲:P.447 - P.449

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胚の凍結保存の意義
 体外受精・胚移植における胚の凍結保存の意義は,多胎妊娠を防止し妊娠成績を向上させる点にある。多胎妊娠率の上昇は必然的にハイリスク妊娠,未熟児の発生頻度を押し上げる結果となる。妊娠率向上のためには複数の胚を移植することは止むを得ないが,健康な児を得るという最終目的を考えると,移植胚の数は制限されなければならない。
 胚の凍結保存の意義に影響を及ぼす因子として,自然排卵周期と過排卵周期における胚の着床率,凍結融解胚の生存率が挙げられる。移植胚数と妊娠率の関係をみると,移植胚の数を増やしても理論的に予測される妊娠率は得られず(表1—A),着床環境などの因子の関与が想像される。われわれは高度の卵巣過剰刺激周期では多数の胚が得られるものの,着床が障害されることを報告しており1),排卵期血中エストラジオール(E2)高値周期の胚の着床率は低E2周期の約1/3であった(表1—B)。またわれわれの凍結融解胚の生存率は50%であり,それを自然排卵周期あるいはクロミフェン周期に移植した場合の胚の着床率は低E2周期の新鮮胚の着床率と等しかった(表1—C,D)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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