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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻5号

1992年05月発行

今月の臨床 分娩前後の1週間

エマージェンシー・ケア

17.胎児仮死

著者: 荒木壮1 遠藤力1 佐藤章1

所属機関: 1福島県立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.561 - P.564

文献概要

 胎児仮死とは,日本産婦人科学会での定義(1972年)では「胎児・胎盤系における呼吸,循環不全を主徴とする症候群をいう」とされ,何らかの原因で胎児が低酸素状態に陥り,その結果循環不全状態となった場合をさすと解釈されている。しかし,胎児の低酸素状態も軽いものから,高度になり重度の脳障害に陥るものまで存在する。また,胎児は,母体循環,胎盤循環,臍帯などにより影響をうけ,胎児仮死の病態を一層複雑にしている。
 胎児仮死の診断には種々の方法があるが,胎児の実際の状態を反映している方法はまだ十分確立されたものはない。また,治療についても,胎児仮死の程度の判定が不十分なため,急速遂娩になってしまうことが多いのも事実であろう。今回は,正期産の分娩中における胎児仮死の診断および治療について述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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