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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻5号

1992年05月発行

文献概要

今月の臨床 分娩前後の1週間 介助者へのアドバイス

21.末期未産妊婦に対するラマーズ法短期特訓方式に関する試案

著者: 尾島信夫1234

所属機関: 1聖母女子短大 2聖母病院産婦人科 3日産婦学会 4無痛分娩研究会

ページ範囲:P.572 - P.575

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 13年程前に,年末を期して聖母病院産科でそれまでのエイル大学式の心理的無痛分娩の方針を一転して一挙にラマーズ法式採用に踏み切った時,私達の指導訓練プログラムを受けていない妊婦が産婦として入院して来ることもまだ少なくなかった。その時産婦の不勉強を決して責めることなく,待期室(普通にいう陣痛室)に過ごす数時間の間に,開口期の呼吸法や弛緩法を直接コーチしながら,手短かに娩出期その他ラマーズ法のコツを伝授するよう分娩室の担当助産婦にたのみ,私自身もその心がけでつとめた。こんな急場しのぎは余りうまくゆくまいと覚悟していたが,案に相違して努力の甲斐は空しくなかったようである。「初めは不安だったけれど,お話を聞いてからよく分かって安心することができ,よいお産ができました」という感謝を聞いたこともある。お産をとりあげながらラマーズ式の指導も熱心にやるというのは,現在の日本助産婦のすぐれた能力のひとつで,(フランスや米国のようにモニトリスとかラマーズ分娩インストラクターなどのタイトルを掲げて塾の先生におさまったりせずに親身になって産婦と協力してくれるのは有難いことである。ラマーズ法を知らなくては日本のよい助産婦にはなれないというのは当然であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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