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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻5号

1992年05月発行

今月の臨床 分娩前後の1週間

産褥

35.乳汁分泌の促進と抑制

著者: 多賀理吉1 山中美智子1

所属機関: 1横浜市立大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.607 - P.610

文献概要

乳汁分泌の促進
 通常,乳汁分泌は産褥2〜3日から開始し,4〜5日目には200ml/日以上の十分量になる。しかしながら重症の妊娠中毒症や糖尿病などの母体合併症があったり,帝王切開分娩や分娩時大量出血などの場合には,産褥期の乳汁分泌が低下する。
 産褥期の乳汁分泌を促すためには,まず妊娠中から乳房管理を開始することが重要である。すなわち,妊娠中から乳頭の異常(扁平乳頭,陥没乳頭など)を矯正しておくこと,乳頭・乳輪部マッサージを行い児の吸綴刺激に耐えられるよう外的刺激に慣らしておくこと,などの準備が大切である。このような手入れは,母乳哺育に対する意識の向上にもつながる。また,分娩後は早期から授乳を始めること,乳汁分泌が開始する以前から乳房マッサージを行い,射乳を促進することも大切である。授乳後は乳汁を搾り出して乳腺腔を空虚にし,乳房のうっ滞を防ぐことで乳汁の産生を促進するようにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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