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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻6号

1992年06月発行

雑誌目次

今月の臨床 帝王切開 帝王切開の変遷

1.帝王切開率

著者: 久保武士

ページ範囲:P.640 - P.641

世界各国の帝切率
 帝切率は世界的に増加傾向にあるので,各国の帝切率を比較するにも,調査時期を統一する必要がある。Francis C.Notzonが収集した可能な限り最新のデータ(1975-1985)を図1に示す。29ヵ国にアンケートを発送し,応答のあった21ヵ国に対して,さらに分娩場所や母児についての詳細な調査を追加してデータを分析している。帝切率の最も高いのはブラジル(31.65%),それにプエルトリコ(28.9%),米国(22.7%)である。この調査対象のなかでは,大部分が10%と15%の間にあって,10%未満は日本とチェコスロヴァキアのみである(日本とギリシャだけは1ヵ月の全国データによる数字)。図1の右端の数字は,対応する国の周産期死亡率である。帝切率の調査時期と必ずしも同時期の数値ではないが,帝切率と周産期死亡率の間には統計学的に有意な相関は存在しない(相関係数=−0.33, p=0.15)。早期新生児死亡率と帝切率の間も同様で,低い帝切率のまま低い早期新生児死亡率を達成している国が存在する。つまり帝切率を高くしても,必ずしも周産期死亡率や早期新生児死亡率が低くなるとはかぎらない。

2.帝王切開は減少できるか

著者: 武田佳彦

ページ範囲:P.642 - P.644

 帝王切開術は元来もっともradicalな急遂分娩法で胎児,母体の救急処置の適応である。母体の開腹手術を伴うために,更に産道を介して感染の危険性も高く,抗生物質が普及する以前は術式を含めて極めて慎重な適応決定が行われた。
 しかし最近では感染の制御が比較的容易になったことから胎児救急の適応が拡大し,また超未熟児などが予測される分娩に際して児の安全のために帝王切開の頻度が増加し,5%以下であった頻度が最近では10%を越え,施設によっては20%に達することも少なくない。しかし,帝王切開分娩では母体に対するリスクは高く,母体死亡率はオーストラリアで自然経腟分娩の20倍,ベルリン自由大学のSaling教授は10倍の高率を報告している。しかも,子宮切開の瘢痕のために次回分娩時に子宮破裂の危険性が高く,一時期“once c/s,always c/s”と格言化されるような後遺症を残している。

3.反復帝王切開—何回まで可能か?

著者: 岩崎寛治

ページ範囲:P.646 - P.647

 何回まで帝王切開が可能かという問題は,それぞれの症例によって異なることで,一律に決めることはむずかしいと思う。従来の文献を見ても,明確に何回までと書かれたものは少ない。
 われわれの施設はカトリック系の病院であり,病院の方針としては不妊手術を行っていないため,他施設に比して若干,反復帝切の頻度が高いとも考えられる。今迄の経験症例から検討を加えたいと思う。

4.前回帝王切開—経腟分娩の条件は?

著者: 松浦俊平

ページ範囲:P.648 - P.649

 前回帝切後の経腟分娩(vaginal birth after pre—vious cesarean section:VBAC)は,長く産科領域でのジレンマとして現在に持ち越されてきた課題であり,VBACの安全性についての一般通念とはうらはらに,反復帝切の増加が近年の帝切増加の一因となっていることも事実である。われわれの教室の平成3年にいたる過去6年間(分娩数1,615例)の推移をみても,年次の帝切率は12.1%から16.5%に,帝切症例のうちで反復帝切の占める頻度は7.7%から18.6%に増加している。
 前回帝切例への対応の変遷についてみると,1916年,Craigin EBによるOnce a cesareansection always a cesarean sectionの提言があり,これが,順守された時代が続いたが,その理由は当時の子宮体部縦切開では現在の下部横切開に比し,子宮破裂の頻度が約4倍という高い頻度を示したことによる。

帝王切開に踏みきるとき

5.CPD

著者: 兼子和彦

ページ範囲:P.650 - P.652

 CPDの概念と定義1〜3) 児頭骨盤不均衡(cephalopelvic disproportion,CPD)の概念は,骨盤の大小・形態のみで分娩の予後を判定するよりも児頭と骨盤とを比較して児頭の産道通過性を診断する方が合理的であるとの考えから生まれた。
 したがって「CPDとは児頭と骨盤の大きさに関係した因子の不均衡による難産状態をいう」と定義され,難産因子である絶対的狭骨盤(産科的真結合線あるいは最短前後径9.5cm未満)や巨大児や水頭症など児頭が骨盤に比し明らかに大きいもの(広義のCPD),回旋異常・進入異常による分娩障害,軟産道や陣痛因子による分娩障害を除外した上での定義が示されている。

6.前置胎盤

著者: 本郷基弘

ページ範囲:P.653 - P.655

 前置胎盤のかかえる諸問題のうち,周産期管理の進歩によってその多くは解決されて,母児ともに予後は改善されて来ている。しかし,分娩取扱法は今日もなお判断に苦慮する問題であり,また,分娩法の適切な選択に不可欠なのが正確な診断法である。

7.胎盤早期剥離

著者: 佐藤郁夫

ページ範囲:P.656 - P.658

 胎盤早期剥離は妊娠20週以後で正常に着床した胎盤が完全あるいは部分的に剥離したものをいい,頻度は55〜250例に1例と報告者によって異なるが,それは判定基準の差によるとも言える。胎盤剥離は前述のごとく決して高率ではないが,発症すると母児の生命に重大な影響を及ぼすこと,しかも産科DICの上位を占めることなどから産科管理上極めて重要な疾患である。

8.臍帯因子

著者: 西島正博 ,   谷昭博 ,   植野信水

ページ範囲:P.660 - P.663

 臍帯因子によるトラブルは,分娩時胎児仮死の最大の原因で,正常胎児にも起き得ること,臍帯脱出のように明らかな場合を除き明確な診断が困難であること,多くの場合高度な臍帯圧迫は分娩末期に発生するため,吸引,鉗子による急速遂娩にすべきか帝切すべきか,娩出までの時間的問題と胎児の予備能力の問題を考慮して判断しなければならず,我々産科医にとって非常に対処が困難なことが多い。そこで我々が最近経験した症例を含め述べてみたい。

9.胎児仮死

著者: 岡村州博 ,   武山陽一

ページ範囲:P.664 - P.666

 胎児仮死は日本産科婦人科学会の産科諸定義委員会により「胎児・胎盤系における呼吸・循環不全を主徴とする症候群をいう」と定義されている。主たる病態は胎児の低酸素症とアシドーシスであると考えられているが,その発症には主に分娩時に現われる急性(acute)なものと,重症妊娠中毒症や子宮内胎児発育遅延(以後IUGR)にみられる胎盤循環不全に起因すると考えられる慢性(chronic)のものとがある。分娩時の急性胎児仮死の兆候および対処法についてはもはや議論の余地はないと思われるので,今回は慢性の胎児仮死に対する対処法につき私見を交えて述べたいと思う。
 重症妊娠中毒症やIUGRの症例を管理する上での最大の問題は胎児のwell-beingをいかに正確に判断し,terminationの時期を決定するかということである。そのため,さまざまなbiophysical,biochemical両面からの検査が行われている。

10.IUGR

著者: 中村靖 ,   竹内久彌

ページ範囲:P.668 - P.669

IUGRの診断
 IUGR児は正常発育児に比べ罹病率,死亡率がともに高く,たとえば,正期で1500g以下のIUGR児の周産期死亡率は正常発育児の70〜100倍も高いとさえいわれる1)。分娩時に仮死を発生し易いこともよく知られ,IUGR児は分娩中の胎児死亡率が正常発育児の5倍も高いという。したがって,IUGR児の管理には,これが明らかな仮死に陥ってから方針を決めるのでは遅すぎると考えられ,何よりも早期の診断が望まれる。
 IUGRの診断には,既往歴や通常の臨床診断法も大切であるが,不正確であり,エストリオールやhPLなどの内分泌学的検査法も参考所見にとどまる。現在では超音波胎児計測がもっとも信頼できるIUGR診断法であるといえよう。同時に合併奇形の有無,羊水量の判定などにも留意できる。

11.胎児水腫

著者: 岡井崇

ページ範囲:P.670 - P.672

 胎児水腫は,胎児に発症した全身性の浮腫と定義され,それに加えて胎児の体腔の一部もしくはすべてに液体貯留の認められることが多い。現在,もっとも治療が困難な予後の悪い疾患の一つであるが,近年の周産期医療の進歩により,その予後は少しずつ改善されている。
 胎児水腫は,種々な原因によって発症し,その原因・病因により予後も取り扱いも異なる。したがって,本稿では原因別に,胎児水腫における“帝切にふみ切るとき”を考えて見たい。なお,胎児水腫では,二次的なものも含めて,循環不全や末梢組織での酸素不足が存在するケースが多いので,児の救命を望み得る症例では経腟分娩ではなく帝切を施行する方が良いと考えられる。

12.極小および超未熟児

著者: 遠藤力 ,   大和田真人 ,   佐藤章

ページ範囲:P.674 - P.676

 最近の周産期医療,特にNICUにおける極小未熟児(出生体重1,500g未満)および超未熟児(同1,000g未満)管理は長足の進歩をとげ,われわれ産科医にとって心強いと同時に,妊娠管理について新たな視点を提供してくれる。しかし,これらの未熟児の胎児仮死の判定や分娩時期の決定,およびその分娩様式については,まだ統一した考え方が示されておらず,各々の症例において試行錯誤しているのが現状と思われる。極小および超未熟児の出生に対しては,その取り扱う施設の周産期看護能力に依存するが,今後は生育(胎外で生きることができること)より成育(胎外で正常に成長することができること)が重要視されていくのは当然のことと思われる。今回,成育限界も考慮し,極小および超未熟児の取り扱いを述べてみたい。

13.preterm PROM

著者: 友田昭二

ページ範囲:P.677 - P.679

 preterm PROM(以後PROMと略す)は全分娩の1〜2%に生じ早期新生児死亡の大きな原因となっている。PROMに伴う新生児のリスクファクターとして①未熟性,②感染,③周産期仮死,④胎児への圧迫など(竹内,1991)があげられる。③の周産期仮死は胎盤機能不全の結果生じてくるものであるが,もともと胎盤機能不全があり過度の子宮収縮に伴いPROMが発症してくる場合と,胎盤での炎症(感染)による浮腫・白血球浸潤の結果,母体血と胎児血間での物質交換が障害され二次的に胎盤機能が低下する場合とがある。④は長期羊水過少症が持続した時生じるPotter Syndromeにみられる肺形成不全が新生児の予後不良因子となっている。
 最近の未熟児医療の発達により妊娠23〜24週,400〜500gの時の生存が可能になってきたが,intact survivalの見地からはtermまで胎内で発育させるのが理想である。しかし表1に示すごとく胎児仮死が生じれば感染・未熟性の有無にかかわらず子宮内胎児死亡を防ぐために児を娩出させることが必要となる。

合併症妊娠と帝王切開

14.妊娠中毒症

著者: 中山道男 ,   諸見里秀彦 ,   宮城博子

ページ範囲:P.680 - P.682

 妊娠中毒症(以下中毒症と略)の治療管理は,対症療法の域を脱しない現況である。したがって従来の安静,食事療法,薬物療法のほかに,分娩の時期,方法を考慮する必要がある。すなわち,母体の症状,各臓器の不可逆的障害,胎児の発育障害の如何によっては,胎児の母体外生育可能を考慮した段階での妊娠の中断(Termination)が必要となるわけである。周産期管理の進歩により,この問題はさらに注目されてきた。
 本稿では中毒症の分娩,中絶の方法として,帝王切開に絞って,教室のデータを交えてその適応を中心に述べる。

15.増殖性腎炎

著者: 中林正雄 ,   安藤郁枝

ページ範囲:P.683 - P.685

 糸球体腎炎患者が妊娠を継続した場合,妊娠が腎炎を悪化させることはなく,妊娠中の腎炎の悪化はその腎炎のnatural courseにあると言われている。しかし,増殖性腎炎合併妊娠の場合には妊娠の負荷が腎炎の悪化の進行を早める可能性があることは否めず,さらに胎内発育障害を合併することもあるため適切な時期における妊娠中断が必要となり,その分娩様式として帝王切開が選択されることも多い。本稿では増殖性腎炎が妊娠に与える影響,分娩時期の決定,帝王切開時の注意点などについて述べる。

16.糖尿病網膜症

著者: 亀山和子

ページ範囲:P.686 - P.688

 糖尿病管理の進歩により,かつては不可能とされていた糖尿病女性の妊娠・出産が可能となって久しい。近年では小児期発症のインスリン依存型糖尿病(IDDM)や若年発症のインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)の妊婦が急速に増加している。妊娠可能となった初期には妊娠中に糖尿病網膜症(以下網膜症)が増悪し人工妊娠中絶や早産を余儀なくされた例も多かった。しかし最近では糖尿病のコントロールが不充分なまま妊娠し,出産までの間に網膜症の増悪する症例に対して網膜光凝固術(光凝固)を施行し,網膜症を鎮静化させ無事に出産する例も多くなっている。そこで分娩形式が問題となってきた。かつては網膜症の合併はすべて帝王切開の適応となっていた時代もあったが,現在ではその適応範囲はかなり限定されてきている1)
 陣痛や出産時の怒責など,腹圧の上昇がどの程度静脈圧の上昇に影響し,更に網膜血管へ影響を及ぼすかは明らかではない。しかし胸腹部の打撲や強い圧迫によって一過性の網膜循環障害が生じ,Purcher網膜症としてあらわれることを考えると,糖尿病により脆弱になっている網膜の血管に腹圧の上昇が何らかの障害を与えるということも想像され得る。すなわち進行した網膜症では虚血による網膜血管床の閉塞や,静脈圧の亢進による脆弱な血管の破綻から出血を起こす危険も考えられる。特に増殖網膜症で新生血管をともなったものではその危険は大きい2)

17.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

著者: 雨宮章

ページ範囲:P.689 - P.691

 特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic throm—bocytopenic purpura:ITP)は小児期発症の急性型を除くと20〜40歳の女性に多く発症する。このため妊娠との合併も稀れではなく,妊娠中の血小板減少による出血傾向が問題となり,その取り扱いには充分な注意が必要である。
 血小板減少の主な原因は血小板寿命の短縮にある。免疫グロブリンG(platelet associated immu—noglobulin G:PAIgG)が血小板に付着すると,その血小板は脾,肝などの網内系でマクロファージによって捕捉・貪食されて血小板数は減少する。このようにITPは自己免疫疾患の一つとして考えられており,血小板数10×104/μl以下で血小板減少症と診断される。

18.子宮筋腫核出術後

著者: 渡辺芳明 ,   小倉一仁 ,   畑俊夫

ページ範囲:P.692 - P.693

 子宮筋腫核出術は原則的に,妊孕性の保存を希望する患者に行われる手術であり,筋腫核出術後30〜50%のものが妊娠することができる3,9)。しかしその結果,子宮に瘢痕を持つ妊婦が発生する。子宮瘢痕は子宮破裂の大きなリスクファクターである。筋腫核出術による瘢痕は,漿膜下筋腫例も含まれるため,全体としては,前回帝王切開例よりも子宮破裂を起こす危険度は低いといわれている。
 子宮筋腫核出術後の分娩様式に関しては一般的原則がなく,症例により個別的に決定を下さなくてはならない。当科においては,経腟分娩にするか帝王切開にするかの選択に際し,①核出術時の所見,②帝王切開既往の有無,③帝王切開になる他のリスクファクターの有無,④患者夫婦の希望を決定因子としている。

19.子宮奇形

著者: 山中恵

ページ範囲:P.694 - P.695

 ミューラー管の発達,癒合不全で生じる子宮奇形の種類には大別して単角子宮,重複子宮,双角単頸子宮および中隔子宮などがある(図1)。こうした子宮奇形の婦人においても,なんら合併症も無く,自然妊娠,分娩に至るものも多く,そのような症例の大半は診断されないままの経過をとっていると考えられる。従って子宮奇形の正確な妊娠率,不妊率の頻度は明らかでない。
 子宮奇形の診断は,重複子宮のように腟鏡診と内診で分かるものもあるが,ほとんどの場合には不妊外来で挙児希望のもとに受ける子宮卵管造影法の結果から診断される。すなわち,あらかじめ子宮奇形と診断されている婦人では,その多くは不妊症や習慣性流産の既往があり,原因究明の検査として子宮卵管造影を受けているものであり,従ってその妊娠の多くは一般に言うvariable childである。

20.産道感染ヘルペス,GBS,HIV,リステリア

著者: 今井史郎 ,   清水郁也

ページ範囲:P.696 - P.698

 単純ヘルペスウイルスHerpes simplex virus(HSV)新生児のHSV感染症は胎内感染によることはほとんどなく大部分が産道感染であり,病変部位(潰瘍)にいるウイルスからの感染による。分娩時に児がウイルスに触れないようにすることが基本的な対策になる。このウイルスには1型と2型があり,性器感染には2型が多いが1型もあり,同等に取り扱う。
 当科において現在試験的に行っている性器ヘルペス合併妊婦の管理方針を示す。ただし,現在ウイルス培養の診断的意義や妊娠中のacyclovirの投与については議論の多い分野であり,今後変更が加えられる可能性がある。

帝王切開の実際

21.麻酔法の選択

著者: 川添太郎

ページ範囲:P.700 - P.701

麻酔方法の選択
 帝王切開術(帝切)の麻酔方法の選択に統一された見解はない。帝切は母児二つの生命を守らねばならないので,種々の条件により,麻酔方法も異なる。筆者は表1に示す基準を設けて,帝切の麻酔法を決定している。帝切は緊急性の高い手術であり,いずれの麻酔法を行っても児の蘇生術を必要とする場合が多いので,麻酔担当医は新生児の蘇生術を十分に習得しておくことが望ましい。各種,麻酔法の選択については,それぞれの適応,利点,欠点を表にしたので参考にしていただきたい。

22.帝切麻酔の問題点

著者: 川添太郎

ページ範囲:P.702 - P.704

 帝王切開術(帝切)の麻酔法を選択するにあたって,常々注意しなければならない二つの大きな問題点と,それぞれの麻酔法に関する問題について述べる。

23.帝切前の必須検査

著者: 小西邦彦 ,   豊田長康

ページ範囲:P.705 - P.707

 帝王切開術は近年ますます増加しつつある。帝王切開術は通常の手術と違い体内にもう一つの生命があるという特殊な状態である。そのため術前検査の意味も自ずから違ってくる。帝王切開術はその性質上緊急手術が多い。予定手術の場合は時間的余裕があり十分な検査ができるが,母体や胎児の生命が危機にさらされるような時には緊急帝王切開に踏み切らねばならない。この場合は種々の危険を含みながらも術前に,母体および胎児の状態を十分に把握するだけの時間がない場合が多い。

24.子宮壁の横切開法,各種縫合法

著者: 辻啓

ページ範囲:P.708 - P.709

子宮壁の横切開法
 腹式帝切における子宮壁の切開は,子宮下部横切開法(腹式深部帝切)で行うのが現在主流になっている。ただし,従来の腹式深部帝切の術式では図1に示すごとく子宮下部の横切開はできるだけ下方で行った方が良いとされる傾向にあった。それは下方の方が筋線維の走行に沿って子宮が横に裂けて,ちょうど良いし,切開創の縫合不全も起こしにくいからだとされた。しかし筆者の経験では,あまり下方で切ると胎児娩出後,子宮の収縮に伴って子宮切開創の下縁も下方へと深いところへ引込んで行って恥骨や膀胱の背方へ隠れてしまい,それを引き上げて子宮切開創上縁と縫合するのはかなりむつかしい。また膀胱が近くなるので膀胱に縫合針が掛り易い。また切開縁の下方端と上方端とで,子宮収縮後,厚さの差が極端になって,図2(a)のごとく上縁は厚くなり,下縁は薄くなって,両者の接着縫合がやりにくい。
 また図3に示すように,従来の子宮下部の下方の横切開では,両側方が尿管膀胱侵入部や子宮動脈の走行に近いので尿管や子宮動脈の損傷や断裂を起こし易く危険であり,meritよりもdemeritの方が多い。

25.体部縦切開

著者: 髙木耕一郎

ページ範囲:P.710 - P.711

 子宮体部縦切開による帝王切開術は,古典的帝王切開とも呼ばれるように経腹的な分娩の歴史を語る際には重要な意義をもつものの,次回以降の妊娠・分娩において子宮破裂を代表とする種々の合併症を伴うことから,ほとんど行われることはなかった。しかし,近年未熟児医療の進歩により未熟児分娩に対する帝王切開を行う機会が多くなるに伴い,これら未熟児に対する深部横切開法の手術侵襲の問題から,体部縦切開が再び脚光を浴びるに至った。本稿では特に1,000g未満の極小未熟児の経腹的分娩の方法の一つとしての体部縦切開について,手術手技,ならびに,術前,術中管理につき,著者の所属する施設における方法を中心に述べることとする。

26.腹膜外帝王切開術

著者: 工藤隆一 ,   郷久鉞二

ページ範囲:P.712 - P.713

 腹膜外帝王切開術は1961年,当教室の故明石勝英教授がはじめて本術式を行い,わが国へ紹介したとされている1)。この術式はFrankが1907年に恥骨上縁の横切開による開腹を行い,ついで膀胱子宮窩腹膜を切開し,これと腹壁腹膜とを縫合して腹腔を遮断し,子宮頸部を露出し,これに切開を加えて胎児を娩出する法,すなわち経腹膜・腹膜外帝王切開術を創始したのがはじめである。つまり頸部を切開し,胎児を娩出する際に羊水や胎糞や胎垢,あるいは血液が腹腔内に散布されないように配慮したのである。ついで1908年にSelheimは開腹せずに腹膜外に膀胱を子宮頸部より剥離して,子宮頸部を露出して胎児娩出を行った1)。このFrankおよびSelheimの着想を利用して,Latzko3)は1909年膀胱を側方より腹膜外に剥離,Waters4)は1940年に膀胱周囲結合織被膜の前面中央部からT字切開を加え剥離する腹膜外帝王切開術を完成した。
 本術式は一般に考えられているように繁雑な方法ではなく,その後改良され簡単な術式になっている2)。著者らは子宮頸癌の根治手術の際に行う腹膜外リンパ節郭清術の腹膜外処理技術の経験ならびに解剖学的所見を基礎として腹膜外帝王切開術の術式の簡易化に努め,両術式をそれぞれ200症例以上施行してきている。

27.胎児娩出の工夫

著者: 菊池三郎

ページ範囲:P.714 - P.715

 子宮下部中央で子宮壁を横切開すると,胎胞が膨隆するので破膜する。羊水が流出したならば,吸引器やガーゼを使用して羊水を除去することが必要で,これを怠ると児は羊水を吸引して,初発呼吸が遅延する可能性がある。子宮壁の切開創より,術者は全指を揃えて(術者が産婦の左側に立ったときは術者の左手)児頭と子宮壁内側の間に挿入して頭頂を通って後在の耳介の上近くまで達した後,術者の手掌と手指の上に児頭をのせるようにして子宮壁創に誘導する。
 児頭の骨盤内への下降が顕著で,術者の手指の挿入が困難である時は,助手が経腟的に児頭を押し上げるのも有効である。また,助手が両手を産婦の側腹部にあてて,胎児を子宮底の方向へ引き上げることも,術者の手指の挿入を容易にさせる。児頭の後方に挿入した手指で児頭を持ち上げるようにして子宮壁創から娩出させるが,この時助手は子宮底に近い体部を産婦の背部に向かって圧し下げると,児頭の娩出は容易となる。

28.ポロー手術

著者: 戸出健彦 ,   永田一郎

ページ範囲:P.716 - P.718

 腹式帝王切開後に腟上部切断術を行うものを全てPorro手術とよぶ。胎児娩出後の子宮に対しては経腟分娩後も含めて緊急的に子宮を摘出しなければならない症例がある。その場合,腟上部切断術(Porro手術)にとどまらず,子宮全摘術を必要とする時もある。一般には両者を含めてcesar—ean hysterectomyとして扱われている。そこで本稿においては分娩後の子宮摘出術について,われわれが行っている手技についてその要点を述べる。

29.胎児手術時の子宮切開法

著者: 河村堯 ,   進純郎 ,   荒木勤

ページ範囲:P.719 - P.721

 胎児異常に対する診断技術の進歩により,その病態が把握できるようになってきた。その結果,胎児治療の一つとして手術的方法が近年行われるようになった。例えば胎児水頭症,胎児水腎症,胎児横隔膜ヘルニアなどに対しては母体経腹的穿刺によるpig-tailカテーテル留置法,子宮切開術による腎瘻形成術,横隔膜ヘルニアの直達的修正術などである。しかし,このような胎児治療に関する手術的方法を開始するにあたり胎児異常に対する正確な診断,自然経過にともなう予後の予測や胎児治療による予後の改善見込みなどの点が把握され,さらに十分なインフォームド・コンセントがえられている必要があることはいうまでもない。
 そこで,今回のテーマである胎児手術時の子宮切開法については最近経験した一絨毛膜一児死亡例の選択的胎内手術症例を中心に,手術手技や適応などについて簡単に述べることにする。

30.帝王切開術後感染の予防

著者: 舘野政也

ページ範囲:P.722 - P.726

 帝王切開の適応はCPD,胎児切迫仮死など複雑多岐にわたっている。元来手術は無菌的に行われるべきであり,術後予防的抗生物質の投与は行わないとする考え方もある。しかし,実際には最近はNST,CSTを中心とする胎児管理が発達し,分娩経過途中から分娩方法を帝王切開分娩に変更せざるを得ない場合もかなりある。したがって破水後,頻回の内診後に行われることも稀ではなく,術後感染予防に抗生物質を投与するとする考え方が支配的になってきており,また著者は合理的であると考える。以下術後感染における当院の方法も含めて記述したいと思う。

31.帝王切開後の授乳管理

著者: 青野敏博 ,   舟戸豊子 ,   佐野寿代

ページ範囲:P.727 - P.729

 産科管理の進歩に伴って帝王切開分娩の率が徐々に上昇し,現在では15〜20%に達している。したがって帝王切開後の母親に対する授乳管理は重要な問題である。一般には手術後のため授乳の開始が遅れ,乳汁分泌が不十分で,母乳確立度が低いとされている。しかし乳汁分泌を阻害する要因を明らかにし,これに対処することにより,十分母乳で育てることができるので,その要点を明らかにしたい。

32.新生児の手術室内管理

著者: 志賀清悟 ,   柴田隆

ページ範囲:P.730 - P.731

 周産期医学の発展に伴い,帝王切開の適応が広がり,帝王切開により出生する児が年々増加傾向にある。適応の如何にかかわらず,帝王切開で出生した児はハイリスクベビーと考えられ適切な管理が必要である。よって帝王切開の際には,新生児を扱える医師(産科,小児科に関係なく)が立合うことが望ましい。出生した児が元気な成熟児であれば特別な処置は必要ないが,緊急を要する胎児仮死や極小未熟児の帝王切開では,出生した児に対し蘇生を要することが多いからである。ここでは,帝王切開時の一般的な注意点と,胎児新生児仮死に対する蘇生および極小未熟児の帝王切開時の注意点について述べる。

帝王切開のリスク

33.帝切児症候群

著者: 貝原学

ページ範囲:P.732 - P.733

 帝王切開児症候群(帝切児症候群)という名称は沢崎1)によってはじめて提唱されたもので,経腟分娩児にはみられない帝切児に特有な症候を指している。
 帝切児症候群をきたした児では,呼吸障害,貧血,脳波の異常,水分代謝の異常ならびに体重推移の異常などの症候を呈するといわれている。経腟分娩では,狭い産道を通過するために児はストレスを受けることになるが,このようなストレスは児が外界に順応するために役立っている。しかし帝切によって生まれた児はこのようなストレスを受けないために順応不全による上記の症状が発現することになる。

34.大出血

著者: 齋藤良治 ,   中村幸夫

ページ範囲:P.734 - P.735

 分娩時異常出血の3大原因は,軟産道裂傷・弛緩出血・胎盤遺残であるが,帝王切開に際しての大出血も,ほとんどがこれらによって起こっている。本稿では,帝王切開に際しての大出血について,弘前大学産科婦人科学教室で行っている対策を中心に述べたい。

35.帝王切開後の血栓

著者: 鈴木重統

ページ範囲:P.736 - P.738

 血管の中で,血液は正常の状態では凝固しないのがふつうであるが,これになんらかの病的な条件が加わったときには,血管中で凝塊を形成し,いわゆる血栓となる。
 妊婦の血液は,凝固亢進状態,しかも低線溶状態にあるといわれ,こうした状況においては,血栓を形成しやすい傾向にある。

36.縫合不全

著者: 矢追良正 ,   方世錝 ,   松永啓伸 ,   渡部秀樹 ,   蘇娟楠 ,   天野和彦

ページ範囲:P.740 - P.741

 縫合不全とは一般に,手術に際しての創部縫合不全を指すが,産婦人科では女性の特性として腹壁での脂肪融解による縫合不全はしばしば美容上の事柄として女性に不快感を与える。時に腹壁全層にわたる縫合不全を起こすと,腹壁哆開の状態となり,腸管などの内臓が体外に排出されて,生命を脅かす危険を招くこともある。また帝王切開時の子宮壁の縫合不全は出血や感染の原因となり,その後の妊娠分娩にも障害をもたらし,次回分娩時の子宮破裂を来すことにもなる。産婦人科における縫合不全は外科一般における縫合不全と共通する部分と,産科婦人科特有の部分とが存在するので,産科婦人科の観点から述べる。

37.膀胱・尿管損傷

著者: 藤井信吾 ,   平林稔之

ページ範囲:P.742 - P.744

 産科婦人科領域の手術は,その手術目的臓器部位が膀胱・尿管と接し,かつ骨盤深部の後腹膜腔を操作するため,膀胱・尿管損傷の可能性がつねに存在する。近年,帝王切開は,主として子宮下部横切開が施行されている。この術式は,膀胱剥離を必要とし,また,横切開の延長線上には左右の尿管が走行しているために,帝王切開による膀胱・尿管損傷の可能性が潜む。以下に帝王切開と膀胱・尿管損傷について概説したい。

カラーグラフ 胎盤の生理と病理・6

妊娠中毒症

著者: 中山雅弘

ページ範囲:P.635 - P.637

 子宮胎盤の血管系は,子宮動脈が子宮筋層,内膜で,細かく分岐し,多くは螺旋血管の状態を示しながら,脱落膜表面に広がり,胎盤の各小分葉のほぼ中央において貫入する.貫入部直前に,内腔は拡大し(口径約30μ),次いで普通の太さになる(口径約15μ).そのため母体血は漏斗状に絨毛間腔内に噴出し,その際の圧は約70-80mmHgといわれている.非妊娠時には,1分間に数mlの血液供給しかうけていなかった子宮は,妊娠末期には毎分0.5Lもの血液供給を要求する.これらの血液の確保のため,妊娠時の子宮胎盤動脈は驚くべき変化を示す.妊娠の初期及び中期(16週−20週)に胎児の栄養膜細胞(migrat—ing trophoblast)は螺旋動脈周囲に遊走し,血管の弾性線維などの支持組織を破壊し,このために血管の拡張を生じる.妊娠中毒症とは上に述べた変化が螺旋動脈に起こらないのが原因であると考えられる.しかもこの血管の拡張が起こらない理由は,妊娠中期に胎児の栄養膜細胞(trophoblast)の螺旋動脈への侵入が起こらなかったためであるという説が有力である1)
 帝王切開時に得られた胎盤床を病理的に観察すると上に述べた仮説がよく当てはまる事実が確認される.胎児発育が正常で前置胎盤や前回帝切の例ではmigrating trophoblastsは正常でそれによる血管筋層の破壊と内腔の拡大(physiologic change)が認められる.

原著

HPV感染の有無によって異形成の転帰に差が生じたか?—後方視研究からみた子宮頸部病変進行群と消退群におけるHPVの関わり

著者: 今野良 ,   佐藤信二 ,   矢嶋聰

ページ範囲:P.745 - P.748

 本研究は異形成組織にHPVが存在することによって進行,消退に差が生じるのかを探ることを目的に行った,高度および中等度異形成45例を対象にin situ hybridizationとpolymerase chain reactionによってHPV DNAを検出した。異形成別では高度異形成の90%,中等度異形成の60%に,転帰別では進行群の81%,消退群の69%にHPVを検出した.HPVと転帰の関係をみると,HPV検出群高度異形成の50%が進行したのに対し,50%は消退した。非検出群高度異形成からの進行例はなかった。中等度異形成ではHPV検出群,非検出群の進行,消退はともに約30%,70%であった。HPVの有無による病変の転帰および転帰が決まるまでの期間に統計学的な差は認めなかった。以上の結果は高度異形成はHPVと関連が強いが,HPV陽性高度異形成といえども必ずしも癌に進行しないことを示した。HPVは病変進行に意義がないのではなく,ほとんどの子宮頸癌の必要条件として存在するからだと思われる。

症例

羊水過多症を伴い,一児に心不全をきたした一絨毛膜一羊膜双胎の一例

著者: 津田晃 ,   樋口誠一 ,   村田昌功 ,   松浦亨 ,   池上俊哉 ,   清水靖 ,   平野秀人 ,   真木正博 ,   大友公一

ページ範囲:P.749 - P.753

 双胎は,一般に単胎より周産期死亡率が高いと言われており,この原因として,高い切迫流早産率や胎児間輸血症候群にみられる胎児心不全,また分娩時の懸鈎に代表される分娩障害などがあげられている。この中で,一羊膜双胎は頻度的には非常にまれであるが周産期死亡率が約50%にも達することが従来より指摘されており,その原因は臍帯の絞扼によることが多い。今回われわれは羊水過多症,および切迫早産のため当院へ母体搬送された双胎例で,一児に心不全をきたした一羊膜双胎例を経験したのでその病態と胎児心不全の診断の根拠となった超音波トップラー法による胎児血流計測値について報告する。胎児心不全の診断はいまだ確定した基準はないが,胎児血流診断では,下大静脈逆流係数と心胸郭断面積比が参考となる。これらの急速な増加を伴う例では早急な対処が必要と考えられる。

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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