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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻6号

1992年06月発行

文献概要

今月の臨床 帝王切開 帝王切開の変遷

1.帝王切開率

著者: 久保武士1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系産婦人科

ページ範囲:P.640 - P.641

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世界各国の帝切率
 帝切率は世界的に増加傾向にあるので,各国の帝切率を比較するにも,調査時期を統一する必要がある。Francis C.Notzonが収集した可能な限り最新のデータ(1975-1985)を図1に示す。29ヵ国にアンケートを発送し,応答のあった21ヵ国に対して,さらに分娩場所や母児についての詳細な調査を追加してデータを分析している。帝切率の最も高いのはブラジル(31.65%),それにプエルトリコ(28.9%),米国(22.7%)である。この調査対象のなかでは,大部分が10%と15%の間にあって,10%未満は日本とチェコスロヴァキアのみである(日本とギリシャだけは1ヵ月の全国データによる数字)。図1の右端の数字は,対応する国の周産期死亡率である。帝切率の調査時期と必ずしも同時期の数値ではないが,帝切率と周産期死亡率の間には統計学的に有意な相関は存在しない(相関係数=−0.33, p=0.15)。早期新生児死亡率と帝切率の間も同様で,低い帝切率のまま低い早期新生児死亡率を達成している国が存在する。つまり帝切率を高くしても,必ずしも周産期死亡率や早期新生児死亡率が低くなるとはかぎらない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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