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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻6号

1992年06月発行

今月の臨床 帝王切開

帝王切開の変遷

4.前回帝王切開—経腟分娩の条件は?

著者: 松浦俊平1

所属機関: 1愛媛大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.648 - P.649

文献概要

 前回帝切後の経腟分娩(vaginal birth after pre—vious cesarean section:VBAC)は,長く産科領域でのジレンマとして現在に持ち越されてきた課題であり,VBACの安全性についての一般通念とはうらはらに,反復帝切の増加が近年の帝切増加の一因となっていることも事実である。われわれの教室の平成3年にいたる過去6年間(分娩数1,615例)の推移をみても,年次の帝切率は12.1%から16.5%に,帝切症例のうちで反復帝切の占める頻度は7.7%から18.6%に増加している。
 前回帝切例への対応の変遷についてみると,1916年,Craigin EBによるOnce a cesareansection always a cesarean sectionの提言があり,これが,順守された時代が続いたが,その理由は当時の子宮体部縦切開では現在の下部横切開に比し,子宮破裂の頻度が約4倍という高い頻度を示したことによる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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