icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻6号

1992年06月発行

文献概要

症例

羊水過多症を伴い,一児に心不全をきたした一絨毛膜一羊膜双胎の一例

著者: 津田晃1 樋口誠一1 村田昌功1 松浦亨1 池上俊哉1 清水靖1 平野秀人1 真木正博1 大友公一2

所属機関: 1秋田大学医学部産婦人科 2公立横手病院産婦人科

ページ範囲:P.749 - P.753

文献購入ページに移動
 双胎は,一般に単胎より周産期死亡率が高いと言われており,この原因として,高い切迫流早産率や胎児間輸血症候群にみられる胎児心不全,また分娩時の懸鈎に代表される分娩障害などがあげられている。この中で,一羊膜双胎は頻度的には非常にまれであるが周産期死亡率が約50%にも達することが従来より指摘されており,その原因は臍帯の絞扼によることが多い。今回われわれは羊水過多症,および切迫早産のため当院へ母体搬送された双胎例で,一児に心不全をきたした一羊膜双胎例を経験したのでその病態と胎児心不全の診断の根拠となった超音波トップラー法による胎児血流計測値について報告する。胎児心不全の診断はいまだ確定した基準はないが,胎児血流診断では,下大静脈逆流係数と心胸郭断面積比が参考となる。これらの急速な増加を伴う例では早急な対処が必要と考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?