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今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで 疫学と動向
2.癌マッピング—頻度と死亡率
著者: 園田隆彦1
所属機関: 1国立がんセンター婦人科
ページ範囲:P.770 - P.772
文献購入ページに移動 日本女性の癌死亡順位は,1970-1980-1990年の統計では子宮癌は死亡数が毎10年,約15%減少した結果,第2-3−8位に下降,卵巣悪性腫瘍は死亡数が1,129-2,098-3,338と著増し,増加率は毎10年+85.8%,+59.1%,死因順位は第10位とほぼ同じだが,やがて子宮癌と順位が逆転すると思われる。日本産科婦人科学会:卵巣腫瘍登録委員会の全国卵巣悪性腫瘍調査成績第一報(1974-77)と第二報(1978-83)(以下全国調査第一報,第二報)による卵巣癌の相対5年生存率は41.4%と45.5%である。これを線型に内・外挿して,’70,’80,’90相対5年生存率の近似値を求め,実測卵巣悪性腫瘍死亡数/(1—相対5年生存率)が卵巣悪性腫瘍の罹患数とし,その90〜94%が卵巣癌の罹患数と大差ないとすれば,推定卵巣癌罹患数は1970年1,700,1980年3,510,1990年6,030人となる。これは極めて粗雑な計算法であるが,傾向を充分に実感させるものであろう。
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