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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻7号

1992年07月発行

今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで

良・悪性の鑑別の要点

14.MRI検査法

著者: 小西郁生1

所属機関: 1京都大学医学部婦人科学産科学教室

ページ範囲:P.810 - P.812

文献概要

卵巣腫瘍診断におけるMRI検査の意義
 卵巣腫瘍患者に対して,年齢,症状,臨床経過,外診・内診所見を把握した後,画像診断として超音波診断法を行い,さらに血中腫瘍マーカーのパターンを検索すると,問題の腫瘍が上皮性腫瘍,性索間質性腫瘍,胚細胞性腫瘍,転移性腫瘍のいずれに属するものか,また良性,境界悪性,悪性のいずれの可能性が高いかがほぼ予測できてくる。この後,MRIを行うことにより,卵巣腫瘍組織や腫瘍内容液の質的診断が可能となる。一般的に,卵巣腫瘍内の充実性部分の描出は,MRIよりも超音波診断法の方が優れているが,MRIでも造影剤を併用すれば,血流を有する真の充実性部分がきれいに描出される(図1)。さらにMRIは,超音波診断法で描出しにくい子宮内膜症性嚢腫,線維腫,成熟嚢胞性奇形腫など良性腫瘍の診断にその威力を発揮する。したがって,卵巣腫瘍の術前鑑別診断法としてはもちろんのこと,良性と考えられる卵巣腫瘍を,一定期間,保存的に経過観察したい場合にも極めて有用な検査法である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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