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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻7号

1992年07月発行

今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで

化学・放射線療法

28.卵巣癌の免疫療法は有効か

著者: 上坊敏子1 西島正博1

所属機関: 1北里大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.854 - P.856

文献概要

 卵巣癌に対する基本的な治療としては,両側付属器切除術,単純子宮全摘術,大網切除術(近年ではさらに骨盤および大動脈リンパ節郭清を加えることも多い)による手術療法に術後化学療法を施行するのが一般的である。他の癌と同様に,卵巣癌においても進行期の早い症例の予後は良好であり,また手術で病巣を完全に摘出し得た症例の予後は良好であるとされている。しかし,予後が比較的良好なⅠ期症例の頻度は低く,Ⅲ期以上の進行例が半数以上を占めるとされ,進行例においては,手術で病巣を完全に摘出し得る可能性が低いために,局所療法である手術に全身療法である化学療法をどのように併用するかが,臨床的には大きな課題である。近年シスプラチンが臨床応用され,卵巣癌の治療成績の向上が期待されているが,Ⅲ期以上の進行例の予後はいまだ十分には改善されていない現状である。
 このような進行卵巣癌の治療における免疫療法の意義について,文献的に検討し,今後の展望について考察する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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