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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻8号

1992年08月発行

Current Research

アンドロゲンを介する女性における副腎と卵巣との器官相関—尿中テストステロン過剰の意味するもの

著者: 中居光生1

所属機関: 1北里大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.991 - P.1000

文献概要

はじめに
 Androgen(A)は排卵機能とどのようにかかわるのであろうか。副腎にA過剰分泌があるとき多嚢胞卵巣症候群(polycystic ovary syndrome,PCOS)が併発することが知られている。副腎が多毛症やPCOSの原発病態であるか否かについては長い間議論されているが未だに決定的な根拠を欠くのが実情である。副腎が卵巣機能に及ぼす悪影響の原因はもっぱら副腎で産生されるAとの関連で追及される。この場合,特発性多毛症とPCOSがA過剰症の代表例である。これら2者間の病態の境界は必ずしも明確ではなく,現在「慢性高A性無排卵症」として包括されている。
 私達はこれまで副腎と卵巣との臓器相関に関心を寄せ副腎由来のAが卵巣の排卵機能に与える障害について発表する機会をもったので,その臨床知見からその病因,病態,診断,治療について若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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