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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科46巻9号

1992年09月発行

薬の臨床

酢酸リュープロレリン徐放性注射剤(TAP−144—SR)の子宮内膜症に対する臨床的有用性の検討

著者: 松尾明美1 岩下光利1 中山摂子1 三室卓久1 瀬戸山琢也1 小林万利子1 工藤美樹1 吉井大介1 安達知子1 武田佳彦1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1140 - P.1148

文献概要

 LH-RHアゴニストの酢酸リュープロレリン徐放性注射剤(TAP−144—SR)の酢酸リュープロレリン(TAP−144)として1.88mgまたは3.75mgを子宮内膜症患者33例に4週に1回,計6回(24週間)皮下投与した結果,血清中エストラジオールを確実に抑制し,子宮内膜症の諸症状・所見を改善した。とくに,3.75mg投与では月経時および月経時以外の自覚症状の改善率は85〜100%であり,またダグラス窩の硬結ならびに子宮の可動性の制限を評価した他覚所見の改善率は73%と,その臨床効果は既存の子宮内膜症治療剤と同等以上であると考えられた。副作用としては,本剤の薬理作用の結果である低エストロゲン状態に基づくと考えられる自覚的症状がほとんどであり,投与中または終了後に消失または軽快したものが多かった。酢酸リュープロレリン徐放性注射剤(TAP−144—SR)は子宮内膜症治療剤として有用なLH-RHアゴニストであると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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