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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科47巻1号

1993年01月発行

今月の臨床 流産

治療

26.免疫療法の実際と問題点

著者: 前島正基1 藤井知行1 対馬ルリ子1 三橋直樹1 桑原慶紀1 武谷雄二1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.82 - P.84

文献概要

 妊娠現象を移植免疫学的にみた場合,胎児は父系抗原をもった同種移植片とみなされ,母体の免疫反応により当然拒絶されるべき運命にあるはずである。しかし,実際は正常妊娠においては拒絶が起こらず,胎児は母体に寛容され子宮に生着することより,なんらかの免疫学的妊娠維持機構の存在が示唆される。近年,生殖免疫学の進歩により,習慣性流産患者に免疫療法が行われ,多くの生児が得られるようになった。この免疫療法の作用機序を明らかにすることは,免疫学的妊娠維持機構を解明することにつながる。
 そこで,本稿では習慣流産に対する免疫療法の理論的背景を概説し,われわれの成績を含め免疫療法の実際と問題点について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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