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今月の臨床 不妊の原因を探る 無排卵・無月経
8.副腎機能異常と不妊
著者: 中居光生1
所属機関: 1北里大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.1174 - P.1175
文献購入ページに移動 副腎の機能異常と卵巣の排卵機能(広義には女性の不妊)とが因果関係にあるのか,もしそうであるなら何が生殖機能を崩壊させるのかについて,その発症機序の解明に多くの期待が寄せられている。視床下部・下垂体・副腎系(hypothalamic—pituitary-adrenal axis, HPA系)の個体維持機能と,視床下部・下垂体・卵巣系(hypothalamic—pituitary-ovarian axis, HPO系)の種族保持機能とが生殖期の婦人の生存の機能的枠組の中で並列的役割を分担するのか,あるいは直列的因果関係という主従の役割を与えられているのかについて知ることはきわめて重要な生物学的意義を有している。
女性の生殖機能を急性的にあるいは慢性的に抑制させる生物的内在的機構の物質的要素は何か。副腎機能の異常はどのようにして起こり,どの程度生殖機能の抑制に関与するのか。すでに内科的疾患として対処されている病変については割愛し,本稿では個人生活史上の環境適応不全を起こしやすい最もありふれた病因としてストレスに注目し,生殖障害との関連を整理しようと試みた。
女性の生殖機能を急性的にあるいは慢性的に抑制させる生物的内在的機構の物質的要素は何か。副腎機能の異常はどのようにして起こり,どの程度生殖機能の抑制に関与するのか。すでに内科的疾患として対処されている病変については割愛し,本稿では個人生活史上の環境適応不全を起こしやすい最もありふれた病因としてストレスに注目し,生殖障害との関連を整理しようと試みた。
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